みじかいの | ナノ

「しょーまくんの卵焼き、おいしー!」


どこからか現れたクラスメイトのみょうじさん。
背後から手を伸ばし、お弁当にはいってた卵焼きを頬張りながらそう言った。
一体いつのまに?と思うくらい彼女の声がするまでまったく分からなかった。


「みょうじさん
一体いつのまに・・?」


数秒前までの疑問を早速口にする。


「え?
今日はしょーまくんが珍しく一人だから驚かせようと思って」


けらけら笑う。
だが質問したのと違う答えが返ってきたのは僕の気のせいだろうか?


「ねねっ
いつも自分の作ってくるの!?」


「・・え、う、うん・・」

「すごいなあ〜」


なんだか彼女の気迫に負けてしまっている。
よく喋るなあって思った。


「今度卵焼きの作り方、教えてもらいにしょーまくんの家に遊びに行ってもいい?」


「うん・・
・・・って、え!?」


食べてた箸を止めて驚きながら振り向いた。
実はあんまり聞いてなくて流しつつ聞いていたからだ

「・・だめ?」


「うっ・・」


上目遣い。
そんな可愛らしさに負けてしまった。


(・・まあ、陽毬も女の子がいたら喜ぶからいっか・・)


最終的には妹の為、しぶしぶだった。


「じゃあ今度遊びに行くね!」


晶馬の心とは真逆に、なまえは満面の笑みで微笑んでいた。


(ふふふ・・
お弁当のおかずで話題をもちだす作戦大成功だわ!

・・次は、と)





さて、

明日はどんな話題で彼に話し掛けようか?