みじかいの | ナノ

「テメ!グレイ!
お・れ・の!なまえに触ってんじゃねえよッ」


「ああ!?
いったいいつなまえがオマエのモノになった!」

この台詞のやり取り。
今日何回目だろう。
わたくしこと、なまえは只今ナツ・グレイに挟まれ、怒鳴り声をまじかで受けてるため超不機嫌なのだ
というより疲れ果ててもうどうにでもしてくれ、という状態。


「ほら!
ナツにグレイ!
なまえが困ってんのが分からないの!?」


「ルーちゃん!」


神様の助けだ!
なまえの顔色が一気に明るくなる。
この地獄という狭間から解放されると思ったのに。


「うっせー!
なまえが俺のことで困るはずねえだろ!」


ぎゅうっとナツに抱きつかれる。

うわわわっ
ナツの匂いや温もりが直に伝わって顔に熱が集中し、まっかっかに違いない。


「俺のってなんだよ!
なまえ!嫌だったら殴りゃいいんだ!」


今度はグレイに抱きつかれた。
だけどナツに抱きつかれたまんまだから結局二人に抱きつかれるという状況に。

「・・・・!」


もうなにがなんだか分からない。
がっしりした肉体に挟まれて、それぞれの匂いがまざり恥ずかしさが限界まで達した。


「も・・限界・・っ」


「「なまえ?」」


体を震わし、なまえは二人の手からすりぬけ、ルーシィのもとへ走り寄った

「ルーちゃあんッ!」


「よしよし、なまえ」

涙ぐんでるなまえの頭を優しく撫でてやる。
そんな光景を目の当たりにし、あたりまえのようにルーシィに嫉妬する二人。


「おい!ルーシィ!
なまえ取んな!」


「触っていいのは俺だけだッ!」


「・・あんたたち何女の子に嫉妬してんのよ」


「「俺!の!なまえだからだ!」」


「・・・・・」



愛情いっぱい
(愛されてるって素晴らしい?)





「「なまえ!」」


「ひい・・!

もうやだあああっ」


今日は解放されたのだけど、次の日からエンドレスリピート。
なまえの苦悩はまだまだ続くのだった。




(なまえー!)
(最初はこんな風にすりよってきて尻尾や耳が見えた二人が可愛い・・なんて思ったけど)

ちら(二人を見る)

(・・ルーちゃん
私疲れたよ)
(あはは・・っ)