みじかいの | ナノ

最近お兄ちゃんに彼女ができた。
ビーデルさんっていってあのミスターサタンの娘で強くて可愛い人。
最初はただ大好きなお兄ちゃんを取られたからこんな気持ちになるんだって思ってた。


「・・お兄ちゃん
今日もビーデルさんのところに行くの?」


玄関で座り、靴をはいてる悟飯に問いかけた。
体勢はそのままに悟飯はなまえの方へと視線をやる


「行っちゃ、ヤ」


「どうした?なまえ」


服の裾を掴み、駄々をこねる子供のように言ってみせた。
案の定悟飯は少し困った顔で笑う。

・・あぁ、わがままだ

こんなのお兄ちゃんだって迷惑なのに

きっと早く愛しい彼女のもとへ行きたいに決まってる
それでも行ってほしくないなんて


「大丈夫
早く帰るようにするからな」


「どうしても行かなきゃだめ?」


困るのが分かってて聞いてしまう私はとことん子供だと思う。


「う〜ん・・
それはちょっとなぁ」


・・・ほら
仕方ないな、なんて笑ってるけど子供じみたこの行動がお兄ちゃんを困らせてるんだ。

でも、もうこれ以上はだめだ

ゆっくりと悟飯の服を握ってた手を離した。


「・・早く帰ってきてね」

「・・お土産買って帰るよ」


悟飯は笑ってなまえの頭をぐしゃぐしゃとやった。そしてふわりと宙へ浮き、飛び立っていった。
そんな後ろ姿を眺めるなまえ。


「・・お兄ちゃん・・」





僕はもってはいけない感情をもってしまった
気づかなければ幸せだった
気づかなければこんな辛い気持ちをあじわうことなんかなかったのに
妹だったのに
大切な大切な僕の家族
なまえが僕のことをどう思ってるかなんて知らない・・
けど僕は家族じゃない、女の子として見てしまっている。
先程もなまえの言葉や仕草に抱きしめたい気持ちでいっぱいだったのを必死で堪えた。

あの白く、柔らかな肌。
ふっくらとした唇にキスしたい。
抱きしめたい。
めちゃくちゃに壊して、僕だけしか見えなくしたい。
最近はそんなのばっかりだ

「・・悟飯くん?」


そう呼ばれ振り向けば少し眉をあげて拗ねてる彼女。
なまえと同じなのに全然トキめかない。
彼女との付き合いはこの気持ちを隠すためのカモフラージュだ。
だってこうでもしなきゃ理性を保てそうにない。
僕は最低な男だ。
なまえのために彼女を利用する。


「なんでもないよ
ビーデルさん」


「・・ほんとに?」


疑うビーデルに優しくキスをおとす。
そしてそのまま舌をねじ込ませた。
体がびくっと跳ね上がる。

「・・んっ、ふ・・ぅ、」

「好きです
ビーデルさん」


「ん・・、わたし、も」


僕は思ってもいないことを軽々しく口にする。
今、ビーデルに不信がられてはなまえに手をだしかねない。

・・そんなのは絶対にダメだ。


悟飯はビーデルを押し倒す
器用に洋服を脱がしていった。
ビーデルは一回肌を重ねれば安心してしまうのだから簡単だ。
くくっと小さく笑う。


「・・?
悟、飯・・く・・?」


快楽に支配され、視界が歪む中、悟飯の妖しげな笑みに気づき問いかける。


「なんでもありません」


そう言って笑う悟飯の笑みはいつもの笑みでほっとするビーデル。
でも気づきはじめてる。
この恋の終止符が近いことに・・





あれから何度肌を重ねただろう。
今日のビーデルの乱れ具合はいつもと違っていた。
何度しても求めてきて。
何回イかしたか覚えてない
まるで離れてほしくないかのサインのように見えた。
悟飯はシてる最中も時計ばかりが目にはいって。

"早く帰る"

なまえとの約束。
もう6時をまわっていた。

「ビーデルさん
僕、もう帰らないと」


シーツに包まってる彼女にそう告げる。
少し淋しそうな顔をした。


「・・・ん、そうね
分かったわ」


「じゃあまた」


ビーデルと別れ、悟飯はなまえが大好きなシュークリームを片手に家路へといそいだ。
帰ればチチが出迎えてくれたがなまえの姿が見当たらない。


「お母さん、なまえは?」


「なまえちゃんなら悟空さと悟天ちゃんと修行にいっただ」


「そ、そう・・」


きっと修行が大好きな悟空となまえに悟天は無理やり連れてかれたんだろう。
そんな光景が悟飯の頭の中にうかんだ。

シュークリームがはいった箱の持ち手に力をいれればぐしゃっと折れまがった。まるで今の悟飯の想いみたいだった。





部屋で勉強してれば聞こえてきたノック音。

ゆっくり扉が開き、はいってきたのはなまえだった
キャミソールにショートパンツ姿のなまえ。
タオルを肩にかけて髪がまだ濡れていて火照った体に蒸気した頬。
悟飯はごくり、と唾をのんだ。
額から一粒汗がながれおちる。
手に握ってたシャープペンシルがべきっと音をたてた

「・・・お兄ちゃん
シュークリームありがとう」


「・・あ、あぁ」



なまえが持っていたシュークリームに目をやればお茶とともに二人分あった

「一緒に食べない?」


「いいのか?
ダイエット中じゃなかったっけ?」


「今日だけ特別!」


嬉しそうに机にお盆をおくなまえの近くに行けばふわり、甘い香が鼻をくすぐった
シャンプーかボディソープかは分からないビーデルとは違う甘い匂い。
ただいますぐ抱きしめてしまいたい。

この香が悟飯の理性を狂わせた。

ゆらり

目の前が真っ暗になる。


「・・なまえ・・」


「ん?なーに?」


無意識に軽く触れた唇。
なまえは体をフリーズさせる。

せっかく今まで我慢していたのに。

一番してはいけないことをしてしまった。
きっとこのままでは歯止めがきかずなまえをめちゃくちゃにしてしまうだろう
でも、もう止まらない


「お兄ちゃ・・」


「なまえ、嫌ならお兄ちゃんを思いきりはねのけて」


「・・・っ」


切ない瞳でぼつり呟く。

ずるいよ

そんなこと・・できるわけないのに


「いいの?」


「・・・」


返事の代わりに一回頷けばベッドへと押し倒された。




どうしよう・・
お兄ちゃんとイケナイことしちゃってる
お兄ちゃんの指が、唇が私の体をなぞってる。
あたえられる愛撫が優しすぎて逆に快感へと変化する
足をしっかりと開けさせて尖らせた舌を膨らんだクリトリスへとはこばせて舐めあげた。


「ん・・んん・・!
おにいちゃ・まって・・」

ムズ痒いようなビリビリで足が震えてしまう。


「大丈夫
そのままその感覚の向こう側まで飛んでみようか」


「ひゃ・・っ」


トロトロの私の中に・・
お兄ちゃんの舌・・が・・

奥をなぞって
上まで一気に舐めあげてる感覚。


「ああうっ!」


ビクビクと痙攣し、虚ろな瞳。
半開きの口からは唾液が妖しく光ってる。


「は・・ぅ・・」


「よしよし
よくできました」


お兄ちゃんの大きな手が頬を撫でる。
まだぞくぞくしてる。
アタマが一瞬真っ白になってこんな感覚ははじめてだった。


「い・・今・・
私・・イッた・・の?」


「なまえははじめてだったよね?
どうする・・?」


「え、」


「今なら止めてあげられる」


なんでそんな悲しそうな顔するの・・?
兄妹だから、かな
・・そんなこと分かってる
この行為はイケナイことだって
でも大好きなんだもん


「私・・お兄ちゃんとしたいの」


「・・なまえ・・!!」

「あ・・あっ・・!」


私がそう言えば一気に根元までお兄ちゃんが貫かれた
すごく深いところに突き上げられて、
持ち上がった足がぴくぴくしてる


「あっ・・あ」


「すごいぬるぬる・・
これならナカでもイけるね・・」


「ふ・・あんっ」


部屋の中が二人の息遣いと体液の匂いと音とベッドの軋む音でいっぱいになって

「お兄ちゃん・・!」


少しずつだけど痺れるようなゾクゾクが背筋をかけのぼっていく。


「なまえのナカだんだんきゅうってなってきたね
もう少しかな」


「ん・・!」


私のナカが何十回も掻き回されて、お兄ちゃんの熱でいっぱいになって


「なまえ・・
一緒に・・!」


「あぁあ・・あ・・!」


ゾクゾクが頭のてっぺんにまで届いて

弾け・・ちゃう・・!


どくっ


「んっ・・」


二回目の絶頂の波。
今度はかなり大きく長い痙攣で力強く抱きしめた。


「おに、ちゃ・・
悟・・飯・・!

・・イっちゃ、イクうっ!」


勢いよくなまえのナカに白濁が注ぎこまれた。
ドクドクと脈うってる


「ん・・っ、ん、
ん――――!」


「はっ・・は・・
キモチ・・なまえ」


「・・ありがと、お兄ちゃん」





あの後私たちは普通の兄妹に戻ろうって約束した。
もちろんお兄ちゃんはビーデルさんの彼氏で結婚まで約束してたらしい。

私はそんなビーデルさんに罪悪感の気持ちでいっぱいだった。
それでも不思議と後悔はしてなくて
たった一回だけど勇気をもらった気がする。
これで前に進めるもの。


「なまえ―
父さんと修行するか?」


いつものようにお父さんが修行に誘ってくれた。
悟天はこの言葉にびくーって反応してる。


「・・いい」


「なんだ、つまんねぇなあ
よし!悟天!修行だ!」


「えぇえええッ!僕!?」


そのやりとりを見てやんわりと微笑んでればお母さんが話かけてきた。


「なまえちゃんもやっと分かってくれただか?」

「ん――・・
修行はやるよ
・・でも、今日はお兄ちゃんと勉強するの!」





一歩前に進ませてくれたあなたに


ありがとう