みじかいの | ナノ

「カンナギ様―!」


「離せ、鬱陶しい!」


いつものようにカンナギ様に抱きつけば荒々しく私から身体を離す
機嫌がよくないのか、カンナギ様は今日は一段と冷たい
革たちは呆然とこの2人のやりとりを眺めているだけだった


「ねぇ、なまえは怖くない、の?」

「・・?」


泊まることになった宿屋の部屋で相部屋になったコトハちゃんにおそるおそる聞かれる
最初はなんのことか分からなかったけど次第に理解することができた


「それって・・カンナギ様のこと?」


私がそう聞けばこくん、と首を縦にふる

可愛いなぁ

私が男の人だったら速攻やられてます


「どうして?
怖くなんかないよ」


「・・今ははやがみがないから安心してるだけだと思うけど、でも・・・」


「カンナギ様は人より不器用なだけだから」

「・・・よっぽど好きなんだね」

「・・・!」


コトハちゃんにそう言われて顔が真っ赤になるのが分かった

うん、

好きだよ、


「告白は?しないの?」

「え・・!?
するわけないよ!」

「どうして?」


不思議がるコトハちゃん


「だって・・
ただ今は、カンナギ様を応援したいの」


私がそう言えばコトハちゃんは柔らかく笑って頭を撫でてくれた


「・・・ありがとう」



私、まだまだ頑張れるよ

だってこんなにもカンナギ様が大好きなんだもん!