「サッカーやりたぁーい!」
「この問題集が終わってからね」
そう、キューティーフェイスで笑ってもくもくと勉強を続ける一之瀬くん
私の手は書く作業はぴったりと止み、最初に至る。
だが、この勉強会は私のために開かれたようなもの
その本人がまったくもってやる気ゼロ。
まだ始まってから30分もたってないというのに。
一之瀬は苦笑いしていた。とうとう机に突っ伏しはじめた彼女に一ノ瀬はどうしたものかと考えこむ。
ある提案が頭に浮かんだ。
「そうだ!
じゃあ問題を一門解くごとにご褒美をあげるよ!」
「・・・たとえば?」
少し半信半疑で顔だけあげて一之瀬を見る。
彼はにっこりと微笑んだ。
不覚にもどきゅん、と胸が踊る。
どきどきどきどき
死んでしまいそうなくらい高鳴ってる。
ちゅっ
軽いリップ音とともに唇に柔らかい感触。
キスされたと認識するのにそう時間はかからなかった。
「・・・!」
「こんなこととか・・ね
だから頑張ってやろう!」
ごめん、無理です
わがままお姫様に甘い口づけ
たったそれだけで私の脳は停止状態