「忍、･･････好き」
今まで奥深くにしまいこんでいた想いを吐き出した。
目の前にいる彼はすごく驚いた顔をしてて。
気づいてなかったのか、コノヤロー。
でもそれも仕方ないって思ってしまう。
だって、
「･････なまえ
俺、は」
「分かってる
だから早くちひろのとこに行け」
「あぁ！？」
なまえが毒舌を吐けばすぐさまいつもの忍にもどる。
ちひろは私の幼なじみで彼の初恋の相手でもあった。
そんな彼女に見せる反応が可愛くて恋におちた、なんて死んでも言ってやるもんか。
そしてさっさとフラれてしまえ。
「今フラれろ、みたいなこと考えてただろ？」
「･････勘だけはいいんだね」
「テメ･････！」
「いつもの忍に戻った
これならもう大丈夫だよ」
この言葉に忍は目を見開いた。
悲しいはずなのに笑えてる私は偉いと思う。
「･･････頑張れ 忍」
震える手で忍の背中を押して、見えなくなるまで見送った。
好き
すき
君が大好きでした
(初めて口にしたこの気持ちは、これが最初で最後)