みじかいの | ナノ

「ルールッ
一緒に帰ろ!」


「なまえ・・。
今日はだめだ。
生徒会の会議がある。
いつ終わるか分からないから先に帰れ。」



その一言に顔を膨らませながら



「えーッまた!?
最近ずっとだよ!!たまには休めないの!?ルル真面目すぎ!!」



「でないといろいろうるさいもんでね・・・。」



と、ルルーシュが焦りの笑みをうかべる。



それでもなまえは納得がいかない。



「ルルが教室で待ってちゃだめって言うなら、
あたし校門で待ってる!
風邪ひたらルルのせいだからね!!」



それを聞いたルルーシュは少し考えこんだ。
大事な人に風邪をひかせるなんて冗談じゃない。
ルルーシュはしかたなくなまえが教室で待つことを許した。
暖房の許可をもらってやる、とつけたしながら。
さすがに暖房があってもついてなければ教室も寒い。いい子にしてろよ、と言ってなまえの頭をなでて
ルルーシュは生徒会室の方へと向かって行った。

こうゆうところで子供扱いだ。

待ち続けて1時間は経過しただろう



「ぅ〜・・っ
おーそーいー!!」



自分の椅子に座りながら足をぶらぶらさせてみる。

待つのはもう限界だった。
すくりと席をたち、自分の鞄を持って教室の外へでた
かなり冷え込む。

なまえは両方の手のひらを口の前までもっていき
はあ・・っと息をかけた。
少しは暖かい。

はあ、はあ・・・っとなんども繰り返す。



(ルルのぬくもりのほうがやっぱ暖かいな・・。)



そんなことを考えながらゆっくりと歩き出した。


その時だった。



「なまえさん!」



後ろから誰かに呼び止められたのだ。
どうみてもなまえの知らない人。

少しはかっこいい人・・と思うかもしれないけど
なまえにとってはルルーシュのほうが断然かっこいいと思った。

そんなことは関係ないのだが。



「なん・・ですか?」



不信そうに尋ねるなまえに近寄りながら話す。



「僕・・・ずっと君の事見てたんだ。」



「は・・ぁ・・・?」




何を言い出すのだろう・・・・この人は。



「悪いんですけど、あたし今付き合ってる人いますから。」



そう言ってさっさっとその場から去ろうとする。
だが右手をつかまれ、引き寄せられた。



「僕の方が君の事を愛してやれる。
ずっと大事にするよ!
だから僕と付き合って・・。」



「〜・・だから!!」



相手の言葉の途中でなまえはつかまれた手をふりはらいながら叫んだ。

ルルーシュにしか言われたくない台詞を相手がさらっと口にしたことになまえは腹がたった。



「君を愛してる。」



「・・・ゃめてよ・・・・・」



「君だけをずっとずっと見てたんだ!」



嫌だ 嫌だ 嫌だ。

やめてよ



「分からないんですか!?
あなたを傷つけないように断ってるのに・・!!
あなたみたいに自分勝手に告白することしか出来ない人とお付き合いすることは出来ないって言ってるんです!!!!」


なまえが言い終わるとしばし沈黙した。

これで諦めてくれただろう
そう思った。


だけど



「どうして・・っ

どうして僕のことを好きになってくれないんだ・・!!」


力一杯相手に肩をつかまれ、自分の主張ばかりをする


「や・・っ!
・・・ぃた・・!!」



もうなまえにはどうしていいか分からない。



「こんなに愛してるのに!!!」



なまえは相手に頬を叩かれ、その場に倒れこんだ叩かれたところが赤くはれあがってじんじんする。
唇からは少し血が滲んでいて、小さな体を震わせながら、ただただ恐怖におびえるばかりだった。

そんななまえにかまわず、キスをしようとする。


「や・・だぁ・・・ッ!!」



なまえが叫ぶと同時に相手の小さなうめき声が聞こえた。

そこには相手の右腕を捻じ伏せ、怖い顔をしたルルーシュの友達のスザクがたっていた。



「やめるんだ。」



痛みがすごかったのか、



「分かった・・!
分かったから!!」



そう言って走り去ってしまった。

走り去って行ったのを確認すると、スザクはなまえの頬に水で濡らしたハンカチをあてた。

ピリ・・ッと小さな電流みたいな痛みがはしった。



「ん・・っ」



「我慢して。唇を切っているから痛いだろうけど・・。」



ほんの小さな優しさだけど安心することができた。



「君はどうしてこんなところに・・?」



「ルル・・を待ってて・・・。
生徒会の会議があるからって・・・・。」



「それで君を一人残して行ったわけか・・。」



「ちが・・っ!あたしが勝手に残ってるだけなの!!ルルはちゃんと帰れって心配してくれて・・・。
今のだってあたしがちゃんとルルの言われたとうりに教室で待ってればこんなことには・・・・。」



「教室で待ってても同じだったと思うよ。」



「・・・っ!!」



スザクのこの一言で黙ってしまった。

思い知らされたから。

教室にいてもきっと同じことがおきただろう。

そう考えたら震えがとまらなかった。

しばらく沈黙が続くとスザクが口をひらいた。



「ルルーシュのところへ行こうか。」



さしだされた手を拒む理由はなかった。

ただ、今すぐにルルーシュに会いたくて。


なまえはスザクの手をとり、ついていく。   
ルルーシュの手みたいにあたたかかった。

彼の手はとてもあたたかくて。

ルルーシュじゃないのに。


「さぁ。着いたよ。」



そう言われなまえは顔をあげた。



『生徒会室』



確かにそうかいてある。
スザクはコンコン、と軽く叩くとドアを開けた。
そこには楽しそうにおしゃべりをする生徒会メンバーが。



「スザク!!」



一番最初にスザクの存在に気付いたのはやっぱりルルーシュだった。
そう言われて初めてスザクの存在に気付く会長達。



「あー!ほんとだ!!」



「あれ〜?なまえちゃんもいる!
どうしたの??」



シャーリーが嬉しそうに笑顔でなまえに話しかける



「ルルーシュ。ちょっといいかな?」



スザクのこの一言が今まで明るかった空気を冷ました



「どうしたんだ?
スザク・・。」



歩み寄ってきたルルーシュにスザクは殴りかかった。もちろん理由を知らないルルーシュはわけが分からず呆然とするばかり。



「きゃー!ルルーシュ!!」



もちろん教室内はパニックに。



「ルル!」



「大丈夫か?」



みんな一斉にルルーシュに歩み寄る。



「彼女を悲しませるな・・!
さっき怪しい男に襲われそうになった。
もう彼女に近寄ることはないとはないとおもうけど、
そばから離れるな・・・。」



「スザク君・・。」



そう言い終えるとスザクは教室からでていった。
しばらくしてからルルーシュはたちあがった。



「なまえ・・。」



なまえのそばへきたルルーシュは優しく頬に触れた。

あたたかい・・。

今度こそ本物のルルーシュのぬくもりだ。



「ばかか!?お前は!!!」


いきなりのルルーシュの大声に誰もが驚いた。



「だからあれほど早く帰れと言ったのに!!」



こんなに怒ったルルーシュは見た事がない。




「な、によぉ・・っ
置いて行ったのはルルでしょ〜!?」



泣きながらルルーシュに抱きつく。
それがなんだか愛しくて。これ以上ルルーシュは怒ることができなかった。
よしよし・・、と頭を撫でてやる。



「子供扱いしないでよ・・。」



ふてくされるなまえ。くくく・・、と笑うルルーシュに



「もー!!ルルが悪いんだからね!?」



怒ってるのか照れてるのか


「なまえ」



その声に反応して顔をあげる。



ふいをつかれてキスされた


みんなからは見えないように。


ちゅっ。



「!ル・・ル・・・」



「たまにはいいだろ?」



いきなりのルルーシュのキスに驚いた。
こうゆうのも悪くない。





でも、絶対みんなにばれてると思うけどね。