お昼休み。
「ヤヒロ今暇?」
「・・暇ではないけどね」
「やきそばパン食べたいヨ」
「後で・・「もたもたしてたら売り切れるデショ!」」
「・・はいはい。お姫様」
席をたつ俺に周りにいたヤツラがこれみよがしにあれ買ってこれ買ってこいだのの声が飛んでくる。きっと俺がなまえと付き合ってるのを許すかわりだろう。一ヶ月前、なまえはアメリカから転校してきてこのクラスにやってきた。なにかと意気投合することが多く、いつのまにか好きになり告白していた。今はなまえが主導権を握ってる気がする。
そして、なまえは許したけどコイツラは許してないっての。それでも引き受けるんだからどれだけ優しいんだ自分。
「やっぱヤヒロは優しい!私ヤヒロの優しいとこ好きヨ!」
そして自分はこの独特な喋り方と笑顔にとことん弱いらしい。
「俺も好き」
「・・・っ!」
たったこれだけで真っ白な肌が林檎みたいに染まる、大袈裟なリアクションをする彼女もまた可愛い。
「やきそばパンだけ?」
「・・・・・・ヨーグルト・・フルーツの・・
ヤヒロ買ってヨ」
「はいはい」
どうやらお姫様はご機嫌斜め。
好きすぎて俺、馬鹿みたいだ。
「笑うの禁止!」
title byすなお