ちゅってしてダーリン! | ナノ


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いつからだろう。
こんなにも彼女のことが気になってしょうがなくなったのは。
悟飯が学校に通い初めてから5日。
毎日、毎日グレイトサイヤマンとして平和を守る日々。
この格好ならどんなにすごいスピードで空を飛んでも孫 悟飯だとバレないためにサイヤマンの姿で登校するのはもう日課となってしまっていた。
今日も誰にもバレることなく屋上へと降り立つ。
ボタンを押して、サイヤマンから悟飯へと戻り教室へと向かおうとする。
・・・が、一歩踏みだしたとたん悟飯の体が機械が壊れたようにびたり、と止まった。



「・・・あ、あ・・・っ」



目を限界まで見開き、冷や汗をながす。
肩をふるわせ、顔を青ざめれば立ちくらみをおこしたようにふらりとよろめいた。
そこには屋上のドアをあけたままの状態でフリーズしている少女。
クラスメイトの羚奈がいた。
悟飯は羚奈が止まっているのをいいことに猛ダッシュでその場から逃げ出す。
羚奈は未だフリーズした状態だが表情は変えず悟飯の逃げる後ろ姿を眺めていた。



「うっひゃ〜・・!
まいったな、よりにもよってクラスメイトと会っちゃうなんて・・」



走りながら絶対自分がサイヤマンだということを知られてしまった、とうなだれる悟飯。
登校5日目。
まさかこんなに早くバレるなんて。
教室につき、席へと座る。数分して、羚奈が教室へとはいってきた。
顔を教科書でかくし、横目で羚奈を見る。
途端、ばっちり目が合えばすぐさま目を逸らす。



(どうしたもんかなー・・)


悟飯は大きくため息をつき、気分が憂鬱なまま1日が始まった。