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「そんな・・羚奈が・・巫女・・?
あの子そんなこと一言も・・!」
「そうだろう。あの娘自身も知らなかったことだろうからな。
まあアフロディテさまの生まれ変わりと言ってもいいだろう。」
「・・羚奈さんが・・」
キッと鋭い目つきでキビトを睨みつけるビーデル。
「信じないわよ!だってあの子と一緒に生きてきたんだもの!私と羚奈は幼馴染!それはなんなの!?」
一気にそれだけ吐き捨て、・・はあ、と一回だけ呼吸をする。
悟飯も気になっていたこと。
「創られた記憶・・そう頭にインプットさせられていたんだろう。今までのは全て偽りの記憶だ。」
「な・・!?」
もう目の前が真っ暗。頭がついていかない。なにより生まれたときから一緒だった確かな記憶があるのだ。・・それすらも嘘。偽りだったのか。
「ビーデルさん・・」
顔を俯かせてしまったビーデルを心配し、声をかける。反応はなく少し肩が震えているように見えた。
「とにかく話していることは全て事実なのだ。このスピードでは追いつけない
もう少しスピードをあげるぞ」
「・・ビーデルさん
きみはやっぱり帰ったほうがいい
想像よりずっとやばそうだ」
その言葉にぴくりと反応を見せるが、やっぱり黙ったまま。
「母さんや悟天に会ったら今のことを伝えておいて」
「・・悟飯くん!」
スピードをあげようとしたとき、ビーデルの声。後ろを振り向く。
「羚奈を・・助けて・・!大事なの!なにがあったって羚奈は羚奈だもの!死んでほしくない!!」
「・・ビーデルさん・・
・・うん。それは僕も同じだ。大丈夫!絶対羚奈さんを救ってみせるから!」
「ありがとう悟飯くん」
絶対にみんなで生きて帰るんだ。誰も死なせたりしない。
悟飯はそう心に誓う。こんなにも大事に思ってるビーデルのためにも。
キビトと悟飯は先にいる悟空たちとようやく合流することができた。