ちゅってしてダーリン! | ナノ


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食事を終えて、一行は会場へと向かっていた。
羚奈は結局このままみんなと一緒に行くことになった。
ほんとはこんなことしたらルール違反なんだけど。


「あれ・・?」


なにかに気づいた羚奈。
急に走りだした羚奈を不思議に思う悟飯たち


「シンさん・・!」


目の前にはあの時助けてくれたシンともう一人知らない人が立っていた。


「やっぱり会えましたね、羚奈さんあれからは大丈夫でしたか?」


「はい!
あの時は助けていただいてありがとうございました!」


その言葉を聞いたとたんなにかを怪しんでたピッコロが羚奈の肩を掴んでつっかかってくる。


「貴様、あいつを知っているのか?」


「わっ!?
・・えと、知っているもなにも変な人にからまれて困ってたところを助けていただいただけ・・ですが、」

「なん・・だと?」


「・・あの、顔色悪そうなんですけど大丈夫ですか?」


「もともとだ」


素早く返された返事に羚奈は苦笑い。
なぜか悟飯にまで肩を掴まれた。


「襲われたんですか?」


「え?
襲われてはないけど」


正確には襲われそうに"なった"んだけど。


「・・なんで言わなかったんですか!?」


「な、なんでって・・

孫くんどうしたの??」


悟飯にしてはらしくなくて目を丸くする。


「・・あ、い いえ
すみません・・」


勢いまかせにしてしまった自分の行動や言動が恥ずかしくなったのか悟飯は俯いてしまった。
悟空とシンが握手をかわしてる姿が目に映る。


「よろしく!」


「・・・なるほど
うわさどおりいい魂をお持ちだ」


「え?」


「ではお先に」


去りぎわにシンは羚奈ににっこりと笑みを残していった。


「・・な・・・
なにものなのだ悟空・・」

「わからね・・

だが、オラたちだけが楽勝の試合じゃなくなったことはまちがいねぇだろうな・・・」


悟空とピッコロが話する内容に不思議がるクリリン
だが、羚奈もなぜだかそんな気がしていた。
先程から胸がざわざわして嫌な気分だ。
そんな気持ちを抱えたまま、羚奈たちはくじ引き会場へと足を踏み入れた
そこで審判の方が出迎えてくれて
羚奈たちが最後だったみたいだ。


「はい、みなさん!
これで全員揃いました
さっそく対戦順を決めるくじ引きをしますので名前を呼ばれたらここにあるくじを引いてください!」


(あの2人以外はたいしたことなさそうかな)


「孫くんパパ・・
どうかしたんですか?」


先程の2人組を見てる悟空に心配になった羚奈はそっと声をかけた。


「羚奈」


「・・やっぱ・・
気になります?」


「まぁな、
だが強いやつと戦えると思うとわくわくすっぞ!」


「わくわく、ですか」


「あぁ!

・・・ん?
なんだアイツら」


「え?」


そう言われて見てみればとてつもなく目つきが悪く、不気味な感じの2人。
なんだかこっちを見られてる気がするのは気のせいだろうか


「羚奈、おめーの知り合いか?」


「・・・っ?!!
や、やだ!変なこと言わないでください!
あんな変な人たち、知りませんよ!!」


「それにしても目つきわりいなあ・・
力、はいりすぎてんじゃねえか?」


「・・・かどうかは分かりませんが私はあのひとが気になって」


羚奈が指差した先にはマントを身にまとっていて誰だか分からない。
悟空はびっくりしたような表情で見ていた


「・・・不思議なカラダのやつだな・・・」


悟空と話していればだんだんと相手が決まっていって悟飯は8番だった
"キビト"
シンと一緒にいた男性だ


(シンさんはまだ決まってないのか・・)


「つぎはビーデルさん」


「パパはどうしたの?
いないけど」


「ああ、ミスター・サタンは休憩をとっておられるのでわたしがかわりにくじ引きを、と」


「ビーデルパパ、痛そうにしてたもんね〜」


「羚奈!」


からかうようにビーデルの後ろから声をかける。


「おや、羚奈さんじゃないですか
あなたがなぜここに?」


「あはは・・
ちょっといろいろありまして・・」


「あなたのお父様も来ておられますよ
お会いには?」


「・・パパが?」


羚奈の表情が少し険しくなるのが分かった。


「パパは・・どこにいるの?」


「ミスター・サタンに挨拶をしにいくと言ってましたよ」


「・・・、ビーデルちょっと行ってくるね」


「え、えぇ・・

あ、5番よ」


引いたくじは5番で、スポポビッチという選手が相手だった。
もちろんサタンの娘だと知らなかった悟空たちは驚くばかり。


「おい、パパって・・
あいつミスター・サタンの娘なのか!?」


「そうなんですよ」


「噂には聞いてたけどにてねえよな・・
けっこうかわいいもんな―」

クリリンはそのまま体勢を悟飯へと向けて言葉を続けた。


「ちょいと脅してやりゃすぐ結婚させてくれるんじゃねえか?」


「そっそんな!
べ、べつにつきあってもいないですよ僕たち!」


焦り、必死になる悟飯


「あ〜・・!
悟飯にはもう一人いたもんな!
選べないか!」


「クリリンさん!!」



更に否定する声音が強まった


「プンター選手」


「2番だ〜」


「おっ!やった!
あいつがオレの対戦相手だ!」


自分の相手が楽勝なことが分かったクリリンは喜び、視線をやった。
悟飯はからかうネタから解放されてほっと心を撫で下ろす。


(ビーデルさんとも羚奈さんともそんなんじゃないのになあ・・)


「はいー!
以上のように決定いたしました!」


試合はすぐに始まるということで選手たちは会場へと足をはこばせた。
ルールは同じで、違うのは沢山の試合を行う関係上制限時間30分。
それでも決着がつかない場合は審判による判定で決めるらしい。
選手は控え室へと案内された。
審判はマイクを片手に多くの客が待つ会場へ。


「はい―――っ!
みなさんたいへんながらくお待たせいたしました―――――っ!!

いよいよ試合開始です!
天下一武道会―――っ!!!」



わああ、と歓声が響き渡る中大人の部がはじまった。