ちゅってしてダーリン! | ナノ


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「嘘・・、ビーデル??」

私は悪い夢でも見てるんだろうか。
あんぐりと大口あけて驚いてる羚奈をビーデルは不思議な目で見ている。


「なによその顔」


「だ、だだ、だって、」


あまりに驚きすぎて上手く喋れない。
それほどショックだったのだ
あの綺麗で長い、ビーデルにとって自慢の髪の毛があんなにバッサリいっちゃってるんだもん!



「いやー!
ビーデルの髪の毛が!」


「・・・・・・」


泣き叫びながらぎゅうっと抱きついた。
訳が分からないながらも頭を撫でてやるビーデル。



「まったく・・
ずっと長かったから飽きちゃっただけ」


「・・・ほんと?」


「それに悟飯くんの言うとおり邪魔になるだけだしね」


悟飯の名前をだしそう喋るビーデルの顔はなんとも嬉しそう。
ちょっとむかついてしまった


「今まで長くても闘えたのに・・」


「なに?」


聞き取れなかったみたいでそれは逆に助かったかもしれない。


「・・・なんでもないよ」

ビーデルはこの顔を見てピンときた。
なにかあった時は必ずこの顔になり決まってこの言葉
その後は空元気で明るくふるまうものだから見てて痛々しい。


「孫くんびっくりしちゃうんじゃない?」


あはは、と笑う羚奈
とにかく、今は自分は同じように笑顔でいることだ。

「・・・ばかね」



+++++++


やっぱり反応は思ってた通りだった。


「にいちゃん
あのひとだれ?」


「あ!」


「さ!
昨日の続き始めましょ!」

悟飯は慌てて羚奈にこっそりと耳打ちする


「ビーデルさんどうしたんだろう?
やっぱりビーデルさんって分からない・・」


あー、やっぱ気づいてないか
女の子が大事な髪を切るなんてちょっと考えれば理由わかるはずなのに


「・・・孫くんはもっと武術以外のこと学んだほうがいいよ」


「え!?
羚奈さん!?」


羚奈に言われて少し考えてみる。

だが、

羚奈に言われた言葉も、ビーデルが髪を切った理由も、
やっぱり分からない、と困り果てた顔をした悟飯がそこにいた。

悟飯はなにかこの2人は似てるな、と改めて思ったのだった。