死にたがりの彼女 | ナノ
ドッグレースショウ
自分のぶんは自分で稼ぐからと、ガンタはレースに参加した。
結局自分のキャンディは自らが食べてしまった。


『ガンタもだけどシロも心配・・・』

「アトラクションなんだから大丈夫だって!」

アザミもでるみたいで隅で準備体操をしてる彼女を見つけた。
私は羊くんと一緒にテレビでレース観戦だ。


「国野芽さんもでればよかったのに」


羊の言葉に目を丸くさせる。
専用の椅子に座り少し足りない目線を上にあげて羊を見つめた。
少し拗ねた顔つきになるアリスを見て、羊は少し焦った表情。


『・・ガンタがでるな、って言うんだもん
こんな楽しそうなアトラクションに自分だけでるなんてずるい』


「え・・?
まさか、それで拗ねて?」


『・・・っ!?ちがっ』


顔をまっかにさせて慌てるアリスに羊は笑う。
さらに顔を赤くさせて俯いた。違うのは口を尖らせている。


「国野芽さんは素直だなあ。」


『あとそれ。』

「?」

『苗字呼びじゃなくていいって言ったよね?
さんづけもナシ』

「・・、ああ」

成る程、と羊は付け足す。


「ちゃんと呼んでよね、羊。」


「・・・!?」


いきなりで、しかも呼び捨てに今度は羊が顔を真っ赤にさせた。
なんで羊が顔を真っ赤にしてるのか全く分かってない様子を見せるアリスに羊は苦笑した。


「アリス」

「ガンタ!シロ!」


エントリーを済ませたふたりが戻ってくる。シロはあんぱんを食べれることから上機嫌。




「もー!ガンタのばかばか!あそこでボールとってたら優勝だったのにい!」

「いって!馬鹿やろ!傷に響くっ」

「・・・でもあそこでシロを見捨ててたら軽蔑した。無事に帰ってきてくれたから・・許すっ」


ぎゅ、と抱きついた。