いきなり現れた女の子はなぜか俺の名前を知ってたし、またあの名前、
ウッドペッカーと呼んだ
誰も信じることはできなくて警戒してる顔つきになる
「そんな怖い顔しないで
別に取って食おうってわけじゃないの」
「・・・?」
「千地が失礼な真似をしたみたいだから謝りにきたのよ」
「・・千、地?」
一瞬考える。
だが頭にあの男の映像が映ったことにより、思いだした。
「ああ・・あの時の!」
にこっ
奈津子はもう一度笑った。
「どう?よく眠れそう?」
「・・正直、眠れないです」
「どうして?
ちゃんと睡眠とらないと明日戦えないよ?」
「そんな、いきなり・・
罪の枝の感染者で・・
血の力を使って戦えって言われても・・
怖いし、自信ないです」
ガンタの姿を見て、大きなため息を吐く。
それに気付き、すぐガンタは顔をあげた。
「なんだ
あの千地がやけに君に肩入れしてるからどんなコだろうって思って楽しみにしてたんだけど・・」
もう一度、ガンタを見た。
「ただの腰抜けだったみたいね」
「な・・!?」
ガンタからして見れば初対面で、向こうは自分のことを知っているみたいなのにこっちは知らないわけで、いきなりこんなことを言われるのは理不尽だ。
ガンタは奈津子をしっかり睨み付けた。
「君・・アイツとはどうゆう関係・・?」
「・・千地清正は私の大事な人よ」
「・・・」
ああ、なるほど。
それでか。
ガンタはすぐに納得した。
「私、千地を傷つける人は誰であろうと許さない
よく覚えておいて」
「・・なんだよ、いきなり・・っ」
「・・ふっ
明日のバトル楽しみにしてるわ」
ちゅっと軽く、ガンタのほっぺたに唇をおとした。
「・・・!」
ガンタは千地に負けないくらい顔が真っ赤で。
「・・ウブなコね
でも嫌いじゃない」
ウインクひとつ、ガンタの部屋からでていく。
呆気にとられた目でガンタは奈津子の後ろ姿を見た
「な、なんだよ
あの子・・!
一体なにしに来たんだよ・・・?」
スキップしながら歩く奈津子は上機嫌。
千地に変なマネをするな、みたいなことを言われてたが行ってみてよかったと思う。
千地の読みは当たっていた
五十嵐ガンタ・・彼は結構面白い。
「・・ほっぺたにキスしたことは千地に黙ってよっと」