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001


別の世界の人間で年上だと俺が分かったとたん目の前のコイツは偉い態度がでかくなった。


「快斗、醤油とって」


「ん」


新聞を読みながら手渡す。
菜々はなにをそんな真剣に読んでいるのかと、味噌汁をすすりながら横目で見る。
怪盗キッドの予告状の記事

「ふーん
私には内緒で飛行船乗る気だったんだ」


「・・人聞きの悪いこと言ってんなよ」


「だってずるいじゃない?
私だって一度も乗ったことないのに」


あたりまえだ。
飛行機ならまだしも飛行船にそう何回も乗れるか。
快斗は心の中でそう思った

「・・快斗ってちゃんと学校行ってるの?」


「は?」


「怪盗の仕事ばっかり優先しないようにね」


「バーロー!
ちゃんと行ってるよ!」


ランドセルを背負う菜々に快斗は顔をしかめながら言う。
リビングのドアを開けながらなにかを思いついたように一言。


「あんまりだと留年、するかもよ」


ぽかん、とする快斗。
扉はゆっくりと閉まった。

「縁起でもないこと言うんじゃねえ!」


快斗の叫びは虚しくも菜々に届くことはなく。
怪盗と学校、2つの準備にとりかかるため、座らせていた腰をあげた。


 


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