探偵 | ナノ


憧れてたお姫様の衣装。
文化祭で劇をやることになり、衣装合わせということで青子に着替えさせられた
そしてみんなに見てもらおう!とか言いだし、私はクラスのみんなの前にらしくない姿をさらけだした。
絶対着ない服に男子は少し頬を赤らめている。
もともとは素材がいいのに性格や口の悪さのせいもあって分からなかった。
青子は得意気に青子のおかげよ!なんて言ってる。
そして今、一番見られたくないやつに見られようとしている。


「快斗!見てみてっ
宇理可愛いでしょ?」

「あのね、青子
こいつに聞いたってそんなこと言うわけ」「可愛い」

「・・は?」


今なにか変な言葉が聞こえた。
なに?
今なに言った?
疑う目をむける私にさらにおいうちをかける。


「可愛い。それは認めてやる。だから脱げ。」


「はあ!?
いきなりなに言ってんのよ!
脱ぐなら向こうで
・・って脱がすな、バカヤロ――!」


背中にあるチャックをさりげなく下ろす黒羽に蹴りをいれる。


「ちょ、宇理!
快斗死ぬよ!?」


「死んで当然!
こいつは死ぬべき!」


脱ぎかけの服を手で支え、さらに黒羽に殴りかかるのを必死で止める。


「・・いってー
んだよ、可愛いかったんだから本当のこと言ったまでだろ」


「黒羽・・それ以上言ったらほんとに地獄見せてやる
その前に眼科行け」


「いや、宇理
地獄いったら眼科にはいけないから」


さっきから青子はつっこんでばかりいる。
でも可愛いのよねー
さすが私のお嫁さん!


「青子、かわいー!
結婚してー!」

「えええ!?」


青子を抱きしめれば黒羽がやけに真剣な目付きでこっちを見てくる。
・・かと思えば


「可愛い姿、他のやつに見せんな!」


なんて、ふざけたこと言ってきたよ。

だから

もう一発殴ったら黒羽は動かなくなった。