探偵 | ナノ


学校へ着くなり平次に昨日はなにしてた、なんて聞かれた。
円らな瞳をぱちぱちと動かす。


「なんなん?急に」


「ええから答えろや!」


「ウチ昨日は図書館で課題のレポートやって、そのまま家に帰ってん。」


そんだけ言えば先程1限の授業の準備をしてた作業にもどる。
でもまだ平次は不満そうだ。


「男とデートだったんちゃうんか?
俺は見たんや!
昨日一緒にいるんのを!!」


「・・・はぁ?
えーかげんにせぇ、平次。男なんて・・ん?男??」

宇理はんー?と頭を捻らせて考える。
そしてすぐさまぽんっと手を合わせた。



「あぁ、迷子の兄さんかいな!」


「はぁ?迷子??」


「確か帰り道の途中で道聞かれてん!
なに?
まさか平次、ウチが浮気してるとでも思ったん?」


「な・・!
あほ、そんなんちゃうわ!!」


「照れへんでもえぇやん!」


宇理は平次の傍にいき、そっと囁く。


"ウチは平次のやろ?"



(たったあれだけでこない妬いてくれはるなんて・・
愛されてんやな、ウチって)
(な・・!?
自惚れんやないわ!
誰がお前なんか・・!)
(照れへん照れへん!)
(照れとらんわ!ボケ!)