「なあキスさせて」
雑誌を読みながらアイスを食べていればコナンにそんなことを言われた。
「・・はっ!?
ちょ、えええ?!!」
「おま・・っ
うるさい」
私の声は相当響くみたいでコナンは耳をおさえながら顔を歪め、
・・近づいてくる
「や、だって・・マジ?」
「冗談で言うか?
こんなこと」
「・・新一なら言いそう」
「てめ・・!」
そう会話しながらも唇が触れそうな距離まであと僅かになってくる。
「それに俺、今新一じゃねえし」
手に持ってたアイスを取られて残りの一口をぱくりと食べられた。
そのまま棒はゴミ箱にいれられる。
さらりと、コナンがすくった宇理の柔らかな髪が零れおちた。
コナンのくせに今日はやけにドキドキする・・いや、させられる。
普段はあんな可愛らしい顔してにこにこ愛想ふりまいてるくせに。
2人きりになるとこれだ。
メガネを透して見える瞳が真剣すぎてそらすことができない。
(子供のくせに格好よすぎなのよ・・!)
「・・なによ
いつもはコナンくんって呼ぶと不機嫌になるくせに」
「もう黙れよ」
そのままちゅっと響いたリップ音。
少し、メガネが痛かった。
(ぷっ・・
すげー真っ赤。)
(コナンくんのせいじゃん・・)
(新一って呼べよ)
(結局どっち!?)
そしてまたキス。
今度は軽いなんてものじゃない濃厚なものだった。