探偵 | ナノ


俺の幼なじみははっきり言って可愛い。

いきなりなんだ、と思うがこれはマジ。
さらさらの髪の毛にぱっちりおめめでぷっくり艶やかな唇。
笑顔で名前を呼ばれれば、魔法をかけられたように恋におちる。
俺は高校に入学してから見ない日は1日たりともなかった。
そして今日も。


「佐倉宇理さん!
好きだあああ!」


バサッと宇理の手に花束がおかれた。
目をぱちくりしながらも最後にはエンジェルスマイル

「ありがとう」


「じゃあ・・!」


「でもごめんね
お付き合いはできないの」


フラれた相手は落ち込んだ、というより砂になった。
俺としてはザマーミロだ。
あんな宇理に馴れ馴れしく話かけて挙げ句の果てに自分はできないことをさらりとやってしまったのだから。


(情けねえ)


「快斗!」


「宇理」


「次数学だよね?
ね?昨日だされた宿題解けた?
私どうしても一問だけできなくて」


「・・ほら」


机の中からノートを引っ張りだし宇理に渡してやる。
いつもと変わらない笑顔でありがとうと言われればすぐに俺の顔は真っ赤だ。
これはもう日常みたいなもので。
クラスメイトにはこれでからかいのネタにされたことがある。
正直この関係がくずれるのが怖いのだ。
宇理が笑ってくれなくなるんじゃないかって。
そんなこと考えてる俺は一生告白なんかできないのだろう。



(あれ?
快斗ー、問B違ってるよ)
(マジで!?)
それはそれでショック