探偵 | ナノ


俺、服部平次は最近あることで悩まされている。


「平次!」


「あんなぁ
年上を呼び捨てにすんなや
平次兄ちゃんって呼び」


それはこいつだ。
自分ん家の隣に住むいわゆるご近所さん。
なぜか俺が学校へ行くときには決まって門で待ってる
今日学校は休みのはずがコイツは、いる。
しかも年下のくせに呼び捨てで呼ぶ。
言わせれば鬱陶しいやっちゃ。


「どこ行くん?」



「どこでもええやろ?
宇理には関係ない」


そんな平次の言葉にむぅ、と頬を膨らまして膨れっ面
しかも素っ気ない態度で言われて怒り倍増だ。



「ウチにそないな口、聞いていいん?」



「あ?」



宇理から発せられたことばに疑問を浮かべながら後ろへと振り向く。



「ウチ、知ってんやで?
平次がラブレターもらったんを
んで断りに今から会いに行くんやろ?」



"物好きなヤツも世の中おるんやな"
なんて言いながらわざとラブレターを平次の目の前でちらつかせれば顔を真っ青にさせた。



「おま・・!
いつのまに!返しっ」



取ってかかろうとする平次を宇理はひらりと避ける。
平次は勢いあまって電信柱に突っ込んでいった。



「ぷっ!
そない慌てんでもええやん!
すぐ返したる」



「・・・早くしい」



先程の失態を見られたのが悔しいのか少し頬を染めている。



「ええよ?
だけどそのかわり・・」



ちらっと見る。



「なんや」



「ウチになにか言うことあるやろ?」



にやにや笑う宇理を見て大体察しがついた。



「オマエええかげんにせえよ!?
いくら俺でも限度ってモンが・・・っ」



「これ、和葉姉に見せてもいいん?」



今度は間近でちらつかせて見せた。
見た瞬間口をつぐませる平次。



「・・・関係ないなんてゆうてすんません」



「よろしい!」





満面笑顔で微笑む宇理に不覚にもトキメいてしまった平次くんでした。