探偵 | ナノ


「ちょっと聞いてる!?
それで快斗ったらね!
酷いのよー!」


「聞いてる、聞いてる」


授業が終わり、帰宅しようと思ってた矢先に青子に捕まえられた。久しぶりにお茶したい、なんて言うからファミレスに入ってみればずっとこんな調子。最初は普通に聞いてたものの、時間がたつにくれて聞き飽きてきたので片手でスプーンを使い、コーヒーをくるくると掻き混ぜる仕草を繰り返す。
かれこれ1時間。
快斗、快斗、快斗。
青子の口からはこの話以外なにもでてこない。
宇理がふぅ、と小さくを漏らせばそれに青子が反応を示す。


「宇理?どうしたの?」


「ごめんね。なんでもない
それで快斗はどうしたの?」


「そうそう!それでね!」


上手いこと名前をだしてやれば極上の甘い笑顔とともにまた話だした。途中からノロケにはいってってますよ、青子さん。


あの顔で話す彼女を見てればなんとも分かりやすい。ガールズトークとは時に残酷なもの。恋してる女の子ほど怖いものはないと思う。心を許してくれてる、と思えば喜ぶべきだと思うんだけれども。青子が大好きな私にとっては快斗の話をこんだけされれば正直妬けてしまう。


本人は楽しそうだし





・・・まぁ、もう暫くつきあってあげますか