June 07
ある日の昼下り、一本の電話を受けて目的地の学校へと急ぐ私
階段をけたましく駆け上がりみんなが集まってるミーティングルームへ。
「大河っ!」
勢い良く扉を開けて中に入れば驚いた顔で私を見てくる野球部部員。
"大河"と呼んだ少年の傍に行けば彼も驚いた顔をしていた。
そんな彼らにおかまいなしに喋りだす。
「手、ケガしたって本当なの?
あ――――っ!
大河の綺麗な手が――っ!」
「・・・綺麗かよ。」
よほど心配だったのか、かなりパニック状態だ。
「大袈裟な。
こんなん大丈夫だよ。」
なんて言ってるが、内心は正直嬉しい。
こんなバカップルのやり取りに"やれやれ"と言った表情で見つめる中、吾朗だけ落ち込んでいた。
え・・
俺の足の時はこんな心配してくれなかったのに・・
手だよ、そりゃ手も大事だけどサ・・
「ごっ、吾朗センパイ
足大丈夫ですか!?」
「今さら・・」