June 07
「おはようございます!
蜂須賀先生!」
いつもと変わらない通学路を歩いていたら水城先生に話しかけれられた。
「おはようございます!
水城先生。」
水城は今日もいい天気ですね、なんて笑いながら風になびく髪を手で抑える仕草をする。
「ハッチ!おはよう!」
背中を叩かれそのまま走っていく彼女は蜂須賀の生徒の1人だった。
ちょっと立ち止まり、小声で話す彼女。
「ハッチ!
昨日のアレ、少し驚いちゃったけど嬉しかったよ!」
「いや、だからあれは・・」
しどろもどろ顔をほんのりさくら色に染めて言う蜂須賀に水城は頭に?マークを浮かべた。
「アレ・・って、なんの話です?」
「い、いやぁ〜・・」
ははは、と渇いた笑いで誤魔化す蜂須賀に不振な眼差しを向ける。
昨日、彼女をハンマーセッションの標的としてやっていてその中ちょっとしたアクシデントで彼女を押し倒してしまった。
彼女はそんな蜂須賀を見て自分に気があると思いこんでしまったらしい。
「だって私・・ハッチに心だけじゃなく体も奪われちゃったんだもん。」
そう、顔を赤らめて言えば口を大きく開けて驚く蜂須賀。
水城も同じような顔をしてたがすぐに軽蔑の眼差しへと変わっていく。
「な・・っ
蜂須賀先生!あなたって人はまた――・・」
「ち、違うんですよ、水城先生!」
機嫌が悪く頬をふくらませて拗ねる彼女に慌てて弁解する蜂須賀。
「授業遅れちゃうよ!」
そうして今日も1日が始まる。