休息 | ナノ

March 07

「たまには一杯くらいいいじゃないですか」
「‥‥なに考えてるの？」
「人聞きの悪い。別になにも企んでいませんよ。ただあなたと飲みたいだけです」
はい、とグラスを差し出す安室。この笑顔は苦手だ。だって、何を考えているのか分からない。
「‥‥‥‥一杯、だけ、なら」
しょうがないと言わんばかりの表情と手つきでグラスを受け取って注がれる液体を眺めていた。
まだ飲んでいないのにもう酔いがまわったみたいだ。なぜかほてるように顔が熱く感じた。
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