December 15
「尊ーシャードックちゃん抱かせて!」
そう言って満面笑みを浮かべながら休みの日は家にやってくる。もちろん最近飼いはじめた我が家の犬・・シャードック目当て。実はシャーロックホームズの生まれ変わりだと言うこいつは普段はキレた頭脳の持ち主でかっこいいなーって思うやつなんだけど・・。なぜか今普通の仔犬になってしまっている。まあそのほうがなにかと都合がいいし、安心して見ていられるはずだ。それにしても。
「おい。ひっつきすぎじゃね?」
「ふわふわしてあったかいし肉球気持ちいいんだもん」
「・・だからって」
胸にシャードックを埋めることないだろ。今いつものシャードックじゃなくてよかった。
デレデレな表情のシャードックの表情が思い浮かぶ。
「あ」
無意識な仔犬であるシャードックは彼女の唇をぺろりと舐めた。
「あはっくすぐったい」
「離れろ!今すぐにシャードックから!」
「なによ尊!」
憶失ってるかなんてどうでもいい。むしろシャードックは今本当に只の仔犬と化しているのだろうか。怪しく思えてくる。
もやもやとした気持ちでシャードックを見ていればにやりと笑った気がした。