●スレイ→アリーシャ


初めての人間の友達だからだって、そう思ってた。
笑顔が見られたら嬉しいのも、悲しそうな顔を見るのが辛いのも、どんな重圧にも耐えようとして頑張る姿に勇気を貰えることも、支えたいと思うことも。
でも、それだけじゃなかったのかもしれない。
アリーシャと別れて、いろんな人間に出会ったけれど、ぽっかりと空いた隙間は今でも埋まらない。
もちろん彼女の夢を応援する気持ちは変わらない。
でもこれが別の人だったら。こんなにもたまらない気持ちになっただろうか。
会いたいって、隣で笑ってほしいって、……触れたいって。






●ミクリオ+アリーシャ(→←スレイ)


「私は、スレイの負担になりたくないのです」

あっさりと、あまりにもはっきり言うもんだから、僕は反論もできなかった。
スレイが君を必要としていると伝えても、きっと彼女は首を横にふる。
僕が何を言ったところで、彼女の心が変わることはないのだろう。
それだけ、確かに今のスレイには負担に違いなかったから。

「きっと、もっと導師の力が強まれば、負担もなくなると思う。その時は、また君の力を貸してくれるか」
「ミクリオ様……光栄です」

スレイがその時でも求めてくれるのであれば、とアリーシャは切なそうに笑った。
求めるに決まっている。
君はスレイの精神の支えとなっているのだから。






●スレイ→(←)アリーシャ+ロゼ


アリーシャが隣にいるのがいつの間にか当たり前になってて、でもずっと同志だと思って接していたから、お互いに恋だなんて考えていなかったんだ。
だから、

「え!?スレイとアリーシャ姫って付き合ってないの!?」

なんてロゼに言われてから、なんだか妙に意識してしまう。
向こうでエドナに遊ばれてるアリーシャを、なんだか直視できない。

オレがアリーシャと?

想像すると、彼女への好意がすとんと胸に落ち着いて、なんとも納得だ。
でもそれと同時に恥ずかしさも出てきて。
ああ、しばらくはアリーシャとまともに話せそうにないや。






●スレイ(→アリーシャ)


ラモラック洞穴を抜けると、懐かしい匂いがした。
ボールス遺跡。アリーシャと最後に旅をした場所。
ハイランドに向かうことは決定してたんだから、わかってたんだけど、ああ帰ってきたなって思った。
彼女は今も夢を追いかけて頑張っているのかな。
今すぐにでもレディレイクに向かいたい。逸る気持ちを抑えて、まずはマーリンドで休憩だ。
アリーシャの噂、何か聞けるかな。






●スレイ→アリーシャ


アリーシャの背中がずっと頼り無げで、側で支えてあげたいのに。
ライラの言う通り、今は一人にしてあげた方がいいんだろう。
オレが行くと、きっと無理して笑ってしまうだろうから。
必死に頑張るアリーシャが、なんで報われないのか。手伝いたくても、そうはいかない自分の立場がもどかしい。
オレの望む『笑顔のアリーシャ』に会える日は、いつくるんだろう。






●スレイ→アリーシャ+ロゼ


「ねね、アリーシャってさ、いつも騎士の格好だけど、ドレスとか着ないの?」
「いや、もちろん着ることもあるよ。晩餐会や舞踏会に出なければならない時は仕方なくね」
「れ?あんま好きくない感じ?」
「そんなことはないが……似合わないだろう?」
「んなことないっしょ!絶対可愛いって!ね、スレイ」
「そこでオレに振るの!?」
「だってスレイが一番見たいでしょ、アリーシャのドレス姿」
「え、いや、」
「ロゼ、スレイが困っている」
「そ、そんなことない!アリーシャは何を着たって可愛いよ!」
「ふふ、ありがとう、スレイ。気を遣ってくれてるんだな」
「ちがっ……!」
「あーあ、照れてすぐに答えないからだよ。まったく、先が思いやられますなぁ」
「うるさいな!」






●スレイ→アリーシャ+ロゼ


「アリーシャは、スレイのことどう思ってる?」
「尊敬しているよ。導師としてだけではなく、人としても。心が強くて、純粋で、考え方が豊かだ」
「ふーん。好き?」
「もちろん!」

「一応言っておくけど、たぶんあれ、友達としての好きだよ」
「〜〜〜〜〜わかってるよ!」
「てか、何盗み聞きしてんの。乙女の会話を」
「聞こえてきたんだよ!こんな道端で話してるんだからしょうがないだろ」
「ま、いいけどさ。聞かせるために話してたんだし」
「はい!?」
「だってあんたら見てるともどかしいんだもん。アリーシャはにぶちんっぽいから、もっと積極的にいかんとじゃない?」
「なんの話……」
「スレイがアリーシャのこと好「わああああああ!!!」
「「……………」」
「いや、モロバレだからね?」
「!!!」






●スレイ×アリーシャ


オレ、アリーシャの笑った顔好きだな

突然そんなことを言い出すもんだから、すぐに反応できなかった。
どうしたんだとミクリオ様が私の代わりのように問いかけると、スレイはそれこそ綺麗に笑った。

だってさ、花が咲いたみたいだ

照れもなくそんなことを言ってしまうスレイに、私の方が恥ずかしくなる。
君の方が、太陽みたいで、ずっとずっと素敵な笑顔なのに。






●スレイ→アリーシャ


また、またなのか。
またアリーシャの笑顔を曇らすことになるっていうのか……!
きっと傷つくのだろう、マルトランの正体を告げたら。それでも、戦争を防ぐにはそれしかない。
アリーシャの力は必要不可欠だ。
オレは、彼女を困らせてばかりだな。
一番幸せにしてあげたいあの子を、苦しめることしかできないなんて。






●スレイ(→アリーシャ)+ザビーダ


「スレイ、サウナ行こうぜ!」
「またそれ?だから止めなって。すぐバレて怒られるだけだって」
「おいおい、そんなこと言っていいのか?今回はお前のためでもあるんだぜ?」
「なんで?」
「今、アリーシャもサウナに入ってるんだよ」
「!!!?」
「いくら導師殿でも、好きな女の子がいるってなりゃあ、なあ?」
「なななななな何言ってるんだ!余計ダメだよ!」
「んだよー。恥ずかしがってんなよー。ホントは気になるんだろ?」
「そ、そんなの!それこそアリーシャにバレたら……!」
「なぁに、うまくやるからさ。ほれ、付き合えよ!」
「ダメだって!だいたいザビーダにもアリーシャの様子がわかっちゃうんだろ!?」
「ははーん、他の男に見せたくないってやつ?スレイも一人の恋する男の子ってか。青春だねぇ」
「悪かったね!とにかくダメだから!」
「へいへい」





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