●ガイ×ティア


滑らかな長い髪を一房持ち上げると、するりと零れ落ちた。
こんな些細な行動ですらできなかった自分を心底恨む。
だって、こんなことでも顔を真っ赤にする愛らしい君を、何度も見逃しちまってるってことだろう?

なんて勿体ないことしてたんだろう。
なぁ、君もそう思うだろ?






●ガイ×ティア


ゆらりと煌めくそれは、月の光を受け止めた彼の髪。
ガイには太陽がよく似合うと思っていたけれど、月も似合うだなんて卑怯だわ。
ますます目を離せない。

「俺は君の髪の方が月と似合うって思うけどね」






●ガイ×ティア


それでも好きだよと言えるほど、自分は彼女を想ってはいなかったのだろうか。
好きな人がいると告げられたとたん、心は彼女を拒否した。
誰かなんて言われなくてもわかるし、自分の想いを伝えてすらいない。
彼ならばきっと彼女を幸せにするだろうし、自分ではそうはならないと知っている。
ならば自分が彼女を想うことは滑稽だ。
この気持ちは消えるべきなのだと思えばその通りになった。
もう心は空っぽになってしまった。

「ガイのことが、好き」

あぁじわじわと何かが込み上げてくる。
心を支配するこれが何かなど、もう忘れてしまったというのに。
この震える体を憎いと感じるのは何故だったろう。
気がつけば俺は彼女に微笑んでいた。






●ガイ×ティア


優しく微笑む彼を見ると、心臓の辺りにきゅうっと圧迫感を得た。

苦しい、痛い。

あぁでもなんて甘いのかしら。

その痛みから逃れたいと思うと同時に、もっとそれを感じたいとも思ってしまった。






●ガイ&ティア(+ヴァン←マリィ)[ホドパロ]


「ガイラルディア様」
「ん?なんだい、ティア」
「マリィベル様は兄さんのことがお嫌いなのでしょうか?」

あまりに真剣な目でそう言うから、思わず吹き出してしまった。
なんで笑うのと彼女は問うけれど、あぁそうか、姉上の気持ちを理解するには彼女はまだ幼すぎるのだ。

「どうしてそう思うんだ?」
「だって、マリィ様は兄さんの顔を見ると真っ赤になって怒ってばかりなんです」
「姉上だって本気で怒ってるわけじゃないよ」

ティアは不思議そうに首を傾げた。
姉上のあれは照れ隠しなのだと、彼女が気づくのはまだまだ先になりそうだ。

「姉上は不器用だからね。ヴァンにたいして素直になれないのさ」

今の言葉を聞かれたなら、お前に何がわかるのです!と怒られるんだろうな。






●ガイ×ティア


ガイはティアを優しく抱きしめる。
触れ合えた喜びに、互いの体が震えた。

「愛してるよ、ティア」

ガイはティアの唇に、自分のそれで軽く触れる。

やっと通じ合えたことが何よりも嬉しくて。
ティアはガイの頬に唇を寄せた。



頬の上なら満足のキス
唇の上なら愛情のキス



―――――
過去拍手御礼文
グリルパルツァー『接吻』





●ガイ→←ティア(←ルーク)


「触らないでくれ」
「話しかけないでくれ」
「俺に笑いかけないでくれ」

なんでそんなこと言うの?
私は貴方に触れたい。
貴方と話したい。
貴方と笑いあいたい。

貴方のことが好きなのに。

「だって君はアイツの好きな人だから」






●ガイ×ティア


ふと口ずさむ歌は懐かしいもの。
昔兄さんに教えてもらった子守唄。
ユリアシティで歌われているものではなくて、生まれ故郷のものだと言っていた。
今の今まで忘れていたのに思い出したのは。

「へぇ、懐かしいな。その子守唄」

貴方が同じ故郷とわかったからかしら。



欲しかった共通の想い


―――――
過去拍手御礼文






●ガイ×ティア


目の前に迫る敵が剣を振りかざす。
今避けないと間違いなく致命傷を受けるだろう。
だがこの詠唱を終えなければ私たちに勝ち目はない。
こんな局面だというのに、私は焦ることはなかった。
敵は迫る。


「大丈夫かい、ティア」

目の前に颯爽と現れた最愛の剣士の背中は頼もしい。
貴方が助けてくれると信じてたわ、ガイ。






●ガイ←ティア


好きなの
好きなの好きなの
貴方がいれば何もいらない
そう思えるくらい好きなの
自分ではどうしようもないこの感情を
貴方に受け止めてほしいの

「ねぇ、ガイ」
「うわぁ!ち、近いよティア」

あぁでも貴方に触れることすら許されないなんて





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