●フレン→(←)ジュディス


「ジュディスは、ユーリのことどう思ってる?」
「なぁに?突然」

良い仲間だと思ってるわよ、とジュディスはくすくす笑った。
本当はそんなことを聞きたいんじゃない。
ユーリのことなんて彼女の前で口に出したくない。
でも、彼女との共通の話題なんて、そう多くもないのだ。

「私はなんとなくだけれど、彼の考えがわかるわ。そしてユーリには私の考えていることがお見通しみたい。だからかしら、側にいて楽なのね」

たとえ彼女との会話のきっかけになるからと言って、この話題はやはりやめればよかった。
彼と彼女の絆をまざまざと見せつけられたような。

「だから、ユーリのお友達であるあなたとも、きっと相性が悪くないと思うの」

前言撤回。






●フレン→←ジュディス


彼女は見た目に反して純だ。
いかにも男慣れしてそうな外見なのに、いや実際表面上は慣れているんだろうが、それでも昨日触れたときの反応はとても彼女らしくなかった。
まさか彼女の頬が染まるなど、誰が予想し得ただろう。

「これは、期待してもいいのかな」

ああ、頬が弛む。






●フレン×ジュディス


逃がさないようにしっかりと腰を抱きしめ、彼女のふくよかな胸に顔を埋める。
息を吸い込むと甘い香りが鼻を擽り、僕の吐いた息がくすぐったいのか彼女は身をよじった。
なんだかとても幸せで、顔をあげると目尻を赤く染めたジュディスが笑っている。
今、僕と彼女の気持ちは同じなのだとわかると、溢れんばかりのこの激情を理性で抑えることなど無意味なように思えた。

「……ジュディス、いいかな」






●フレン×ジュディス


気づくのにさほど時間はかからなかった。
フレンの瞳は迷いなく自分に向いていて、疑うことすらない。
彼はそれを表に出そうとはしないけれど、瞳の熱までは隠し通せないようだ。
しかしそれは自分も同様で。
何も言わず、ただお互い手を握った。






●フレン(→ジュディス)+ユーリ


「恋患いってやつだと思うんだ」

気がつけば彼女のことばかり見ていて、ふと考えることは彼女に繋がる。
彼女に話しかけられるだけでドキドキして、笑顔を向けられたならそれはもう天にも昇る勢い。
このままでは戦いに集中できなくて大変困っている。

「じゃあこう考えろ。戦いに集中したらジュディに認められる。笑いかけてもらえる。あわよくば好きになってもらえる。怪我をしたら心配をかけ、しかめっ面される。だからジュディのためにお前は戦うんだ」
「なるほど、それは集中せざるをえないな。しかし根本的な解決にはなっていなくないかい?」

他人のことばかりを優先させるお前には、それくらいがちょうどいいだろ。






●フレン×ジュディス


甘い匂いがする。
柔らかな彼女の体は魅力的で、抱き締めるこの手を離せそうにない。
尖った耳に口づけると、ぴくりと動く様がたまらなく愛しい。
きっと彼女を愛する男は数えきれなくて、本当に自分でいいのかとふと思う。
それでも、とろりと見つめてくる彼女の視線が自惚れさせるから。






●フレン→(←)ジュディス(←ユーリ)


決して誘ったわけでも誘われたわけでもないけれど。
雰囲気、というものが二人の間を支配して。
近づく唇を静かに吸う。
彼女は親友の想い人。
頭でわかっていても、心も体も止まらない。
この柔らかい唇を、一生吸い続けていたい。






●フレン×ジュディス


「そろそろ年が変わるね」
「ええ」
「来年も、もちろん側にいてくれるだろう?」
「あら、どうしてそう思うのかしら」
「君はもう僕なしで生きられないと知っているからね」
「それは貴方の方ではないの?」
「そうかもしれないな。あ、鐘だ」
「新年ね」
「今年もよろしく、ジュディス」
「……そうね。よろしく、フレン」




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