●ガイ(→)←ティア
(可愛い、だなんて)
私に一番似合わない言葉を、さらりと言ってくる。
そういう言葉は、そう、ミュウとかナタリアとかアニスとかに使うもので、私には縁遠いものなのだ。
当たり前のように、笑顔で可愛いなんて言わないで。
信じてしまいそうになるから。
●ガイ←ティア
きっと私が知っている彼の姿などほんの一部分にすぎなくて
知らない部分の片鱗が垣間見えたら嬉しい反面悔しかったりもする
歴史が違っていたならば、私も知っていたかもしれない、ガルディオスとしての
●ガイ→←ティア
えーっと……ティア?怒ってる?
怒ってなどいません、ガイラルディア様。
……ちょっとルークを息抜きさせようと思っただけだって。
それならそうと、私に一言告げるべきだわ。
すまない。ルークが君と約束してるとは思わなかったから。
ルークと約束なんかしていない。
ん?
あなたが言ったんじゃない。次の休憩の時にでも、ホドの話をしてくれるって。
あっ。
楽しみにしてたんだから。
……それはすまなかった。今からでも遅くはないかな?
もうダメよ。そろそろ出発しなくちゃ。
……………。
だからまた次こそは、約束守ってね?
ああ、約束するよ。
●ガイ←ティア
彼に触れることはできない。
その事実を覆したくて、何度も何度も手を伸ばした。
でもただ怯えさせてしまうだけで、募るのは罪悪感ばかり。
女であるという理由で、私は彼のぬくもりを感じることができない。
少しだけ、少しだけでいいから、と何度願っただろう。
●ガイ×ティア
「準備はいいかい?」
「問題ないわ」
「本当にいいのかい?」
「何を怖じ気づいてるの、今更」
「……じゃあ、いくよ」
心の準備ができてないのは貴方の方でしょう?
私は貴方ならいつだって触れてほしいのだもの。
●ガイ×ティア
たとえ別の人生だったとしても、私はきっと貴方に恋をしたと思うわ。
なんでそう言い切れるんだい?
だって、ホドに生まれてガイラルディア様に恋するはずだったメシュティアリカは、今ティアとしてガイに恋しているんだもの。
●ガイ×ティア
「ネフリーさんて素敵ね。私もあんな女性になりたいわ」
「君は働く女性に惹かれるみたいだね。だけど、ネフリーさんにはあの兄貴がいるんだぜ」
「大変な兄を持つ気持ちは十分わかるつもりよ」
「はは、違いない。……君なら立派な女性になれると思うよ。今でも十分魅力的だけどね」
「あ、ありがと……」
●ガイ+ティア
「あいつから……動力を奪うしかない」
そう言ったガイの切なそうな顔が心に残る。
本当に音機関を愛しているのね。
音機関にさして興味のない私でも、あのこを動かなくするのは気が引けるもの。
ガイにとっては辛い作業となるのね。
それでも、先に進むためには避けられなくて。
ガイだけじゃない。
この旅で、私たちはそれぞれ何かを失い続け、何かを得ていく。
●(ガイ×)ティア+ナタリア
「触れたいとは思いませんの?」
私でしたら、好きな殿方には触れたいし、触れてほしいと思いますわ。
ナタリアらしい直球の質問に、ティアは顔を赤くした。
「そりゃ、触れたくないわけ、ないわ」
「でしたら」
「でも、高所恐怖症を治せるかといったら、そう簡単にはいかないでしょう?」
それと同じよ、とティアは笑う。
わかっていた。彼の恐怖が根強いことは。
ただナタリアは、彼女にも彼にも触れあってほしいだけなのだ。
戦争の傷痕は、簡単には消えたりしないのだということを、指導者たる者は知っていなければならない。
「心配しないで。私も彼も、ゆっくり治していこうって思っているわ」
●ガイ←ティア
私の知らない“ガイラルディア”としての彼を知りたいと思った。それが叶うのは、ホドが崩壊しなかった未来。そこに私は“メシュティアリカ”としている。
でも、メシュティアリカであったならば、今の“ガイ・セシル”としての彼を知らないことになる。
“ガイラルディア”も“ガイ・セシル”も知るなんて無理なことで、それでも知りたかったと願わずにいられない私は、なんて欲張りなんだろう。