●ジャック×ミランダ


「ミランダ!」
「まあ、ジャックさん!ひどい怪我!今私が治してさしあげますね」
「サンキュ!」
「でもジャックさん。いくら私がいるからといって、毎日怪我してちゃ駄目ですよ?」
「だって、こうでもしないとミランダは俺にかまってくれないだろ?」
「え?」
「いつもゴドウィンのことばかり気にして。俺のこと気にしてくれるのは怪我した時くらいじゃん」
「そうでしたか?」
「そうでした!」
「……でも、その内本当に取り返しのつかない怪我をするんじゃないかと心配で仕方がないですよ」
「……じゃあ、ミランダも仕事手伝ってくれよ」
「はい?」
「いいじゃん。俺が怪我したらすぐに回復してもらえるし、俺もお前がそばにいて嬉しいし。一石二鳥じゃんか!」



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過去拍手御礼文






●ジャック×ミランダ


例え小さなものでも、怪我をしたら彼女のもとへ向かう。
舐めておけば治るような傷でも、彼女は嫌な顔ひとつせず治してくれる。
申し訳ないことをしているとは思うけど、こんなことでもないと彼女と会う理由がないから。
そうやって言い訳している自分も情けないとは思うけど。

「いつもゴメンな」

いつものように怪我の治療を行っていた時、急にジャックが口を開いた。

「どうしたんですか?突然……」

元気がとりえのジャックが目の前でしょんぼりしているのを見て、ミランダは目を見開いた。
こんな彼はみたことがない。

「いつも治してもらってさ。これくらいの怪我、わざわざミランダに治してもらわなくても大丈夫なのに」

迷惑かけてゴメン、とジャックは続ける。
自分の欲望のためだけにお前の優しさを利用してゴメン、と今度は心の中で謝った。

「迷惑なんて思ってないですよ」

ミランダは微笑んで言った。

「ジャックさんのお役にたてて嬉しいです」

人のために何かをすることが好きな彼女だから、その言葉は本心なのだろう。
だけどこう毎日となると、さすがに心苦しくて。
自分だけが得しているような気がしてモヤモヤする。

「……ミランダのために俺に何か出来ること、ないかな?」

自己満足なのはわかっているけど、彼女のために何か出来たら。
きっとこのモヤモヤはなくなるはず。
真剣なジャックにミランダは少し見惚れて、しかしすぐにハッとして考えた。

「そうですね……、じゃあ治療が終わったら『ありがとう』って言ってもらえますか?『ごめん』じゃなくて」
「そんなことでいいの?」
「私にとっては大切なことですよ。その一言が一番嬉しいんですから」

彼女がそう望むのなら。

「わかった」

たった一言に心を込めて

「ありがとう、ミランダ」



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過去拍手御礼文






●ジャック×ミランダ


「微力ながら、お手伝いさせてくださいね」

そう言ってミランダはジャックの手にキスを落とす。

「じゃあ今日から仲間だな!」

ジャックはちょうど自分の口の高さに位置するミランダの額にくちづけた。



手の上なら尊敬のキス
額の上なら友情のキス



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グリルパルツァー『接吻』




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