●フェリオ×風
最近どうも疲れているようで
私に何かできることはないのかしら
「風にのってみたいな」
ぽつりと出た答えに私は食い付いた
「あの、私の魔法で」
力になれるかもしれないことを告げると
彼は申し訳なさそうに、でも嬉しそうに目を細めた
「じゃあ今度、空中デートするか」
●フェリオ
お前たちの瞳は真っ直ぐで、確かな決意を感じた。
セフィーロは意思の世界。
きっとお前たちなら姉上を救ってくれるだろう。
俺はこの世界の人間だから。
魔法騎士ではないから。
お前たちに希望を託すしかないんだ。
何もできない自分が恨めしいけど、お前たちの無事をただ祈ろう。
頑張ってくれ、異世界の少女たちよ……
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●フェリオ×風
「どちらにしますか?」
何もかも包み込むような暖かい笑顔を浮かべた風
そんな彼女を前に、眉根を寄せて悩んでいるフェリオ
「どっちも……ってのは駄目だよな、やっぱ」
「もちろんです」
一生懸命考えるフェリオ
そんな彼を微笑ましく見守る風
「どちらか一方です」
「う〜ん……」
買ってもらいたいお菓子を選ぶ子どものように
ひとつだけ、と促す母親のように
「……やっぱり選べないよ。両方がいい」
「……しょうがない方ですね」
甘えぐずる子どものように
苦笑して許す母親のように
「では、目を閉じてくださいな」
「ん……」
言われるままに目を閉じるフェリオ
彼の肩に手を置き、顔を近づける風
優しく、触れるようなくちづけ
耳の近くから聞こえる、「愛しています」と甘い言葉
どちらかひとつなんて、選べやしない
どちらも欲しくてたまらない
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