●絳攸×秀麗←劉輝


抱き合う二人を見るのは、もう何度目だろう。
見たくないのに、そこに彼らはいる。

絳攸と秀麗。
二人が恋仲となってから、一緒にいるところが目立つようになった。
皆はそれを微笑ましく見ており、しかし自分はそうは見れない。

絳攸のことも、秀麗のことも、大好きだから。
二人の幸せを願いつつも、二人で幸せになろうとしているのが不満でしょうがない。

なんて醜い気持ちなのだろう……






●絳攸×秀麗


ありったけの想いを込めて、迷子中の彼に後ろから抱きついた。
いきなりのことに彼は体を強ばらせ、しかし私だと気づくと、ふっと力をぬいた。

「どうしたんだ、秀麗」
「ただ伝えたかっただけですよ、絳攸様」

貴方を愛しているということを。

「共に行きましょう」

貴方と私の目指す場所へ。






●絳攸×秀麗+父


秀麗の手には蜜柑
絳攸殿の手にも蜜柑
もちろん各々で口に運ぶものと思っていたけれど

「はい、あーんしてください」
「………はっ!?」
「あーんですよ、絳攸様」
「しゅ、秀麗?何を、コラよせ、自分で食べれる!」
「いいから、あーん!してください!」
「う……あ、あーん……」

うーん、さすが私と彼女の娘
絳攸殿も逆らえないらしい
なんとも微笑ましい光景だねぇ






●絳攸×秀麗


俺は、女が嫌いだ

はい、存じ上げてます

お前のことも弟子以上に思っていない

ええ

この結婚も、紅家のためのものだ

わかってます

それでもいいと?

私は絳攸様のことお慕いしてますから
これから妻としての私を好きになっていただくだけです






●絳攸×秀麗


絳攸様、と一声かければ応じて振りかえってくれる。
たとえどんなに小さな声であろうとも。
でもお仕事をなさっているときは、顔をこちらにむけることはない。
それが悲しくて、悔しくて。
こんなに絳攸様に仕事を押しつける、未だ会えていない吏部尚書とやらに、心の奥から怒りを送った。






●絳攸←秀麗


彼に向けられる視線は決して少なくなく。
その中には女性の熱い視線だって当然のように混じっている。
それを断ち切ることなどできるわけがなく。
私は彼にとってただの弟子でしかない。
端から見たらただの顔見知り程度だろう。
そんな状態ででしゃばることなどできず、例え私が高官であろうとも口出すことではないのだ。
ならこの胸の痛みはどうすればいいのだろう。
あぁ彼を見ることができるのが、私だけならよかったのに。






●絳攸(←秀麗)&楸瑛


「どうしたんだい絳攸。随分と嬉しそうだね」
「ん、そうか?」
「秀麗殿となにかあったのかな?」
「それはあっているが、その常春頭が想像しているようなことではないと思うぞ」
「おや、そうなのかい?艶めいたことはひとつもないと」
「馬鹿を。第一、秀麗は弟子だ。何も起こるわけないだろう」
「………ああ、うん。そうだね」

でもそう思ってるのは君だけだよ、とは言えず。
秀麗殿も可哀想に。






●絳攸←秀麗


「お前は紅家の長姫だ。主上と、とまではいかずとも、いずれは結婚をするんだろうな」
「……そうですね」
「そうなったら一度は相手にあわせろよ。可愛い弟子を俺から奪っていくのだから。お前を幸せにしてくれるような奴でないと困る」
「……………」
「ん?どうした秀麗」
「いえ……」

それは遠回しに、私と絳攸様が結ばれることはないと言っているのですか……?
鈍いにもほどがありますよ、絳攸様!






●絳攸(←秀麗)&楸瑛


「こんなこと言うのもなんなんだけどね、絳攸」
「なんだ、歯切れの悪い」
「君はあまりにも鈍すぎると思うんだ」
「またその話か。俺は鈍くなどない。仮にそうだとしても、誰に迷惑かけるでもないだろう」

いや、現にそれで秀麗殿が困っているんだけれどね






●絳攸(←秀麗)&静蘭


「私は貴方を認めています」
「はぁ?」
「言ってしまえば貴方以外を認める気はこれっぽっちもありません」
「お前に認められるのは嬉しいことだが……いったい何の話だ?」
「お嬢様の結婚相手の話です」
「ぶふぉっ!?」
「私は貴方以外にお嬢様をお預けする気はないのです」

だからいい加減早く、お嬢様の気持ちに気づいてあげてください





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