●エドガー→セリス


音楽がこの部屋を満たす。

金糸のような髪が華麗に舞う。
踵の高い靴で飾られた足元は軽快なリズムを刻む。

温かさも冷たさも含まないその視線は彼を貫く。
彼は臆することなくそれを受け、負けじと彼女に熱い視線を送る。
それを彼女が受け取ることはないとわかっていても。

それでも告げなくてはならないと思った。
何もせずに捨てるには、この想いはもったいなすぎる。

「なぁセリス、フィガロの妃になるつもりはないかい?」






●レオ←セリス


嫁の貰い手がないようだったら、私のところへ来るといい


貴方にとっては軽い冗談だったのでしょう
しかし私はそうなればいいと思っていた
政略的な見合いなど全て蹴ってでも、私は貴方のところへ行きたいと

あぁそれなのに
そう言ってくれた貴方はもういない






●エドガー→セリス→ロック


何故彼奴なんだろう。
彼奴は君を悲しませることしかできないというのに。
君の世界には彼奴しかいない。
助けたのが俺だったら少しは違ったのだろうか。
俺に惹かれてくれたのだろうか。
そんなことを問うと「何言ってるのよ」と笑うだけなのだろうな。


―――――
エドガーの一人称
普段は「私」、素は「俺」だといい






●マッシュ×セリス


その手はすごく大きくて
私のものとは比べ物にならないくらい
そしてとても温かい

その手は私の頭を撫でて
その手は私の頬を撫でて
その手は私の唇を撫でた

じんわりと伝わる熱が心地よい
私の熱ももっと伝えれたらいいと
私はその手に口づけた






●エドガー→セリス


「元気でね。また会いに来るわ」

そい言って一人去っていく彼女の背中をただ見つめる。
追いかけることができないのは、自分は一国の王で、自由に動ける身ではないから。
なんて言い訳にすぎない。
単に臆病なだけなのだ。

今度はいつ逢えるだろうか。
次逢うときも彼女の隣に誰もいなければいい。






●レオ+セリス


虫の軽やかな歌声と、木々と風による伴奏。
焚き火によるスポットライト。火の粉の拍手。
真夜中の音楽会。

「……ふぅ」
「眠れないのか?」

寝返りをうって息をついたセリスに、火の番をしていたレオが声をかけた。

「あ、はい」
「そうか」

続かないのではなく、続けない会話。

「レオ将軍?」
「耳を傾けてみろ」
「え?」

言葉少ななレオを訝しげに見やり、言われたとおりにしてみる。

リリリリリ……
サアサアサア……
パチパチパチ……

「自然の音楽だ。素晴らしいな」

満足そうに微笑むレオ。
任務中には決して見せない、柔らかい笑顔。
今この瞬間は甘えていいと言われている気がした。

「意外とロマンチストなんですね」

穏やかな空気に安心したセリスはクスリと笑った。

「意外、とは心外だな」
「あ、すみません」
「かまわん」

リリリリリ……
サアサアサア……
パチパチパチ……

「眠れそうか?」

ふとレオが尋ねた。

「……………」

セリスはすでに夢の中。
安心しきった、あどけない寝顔。

「良い夢を」

少しでも君の負担が軽くなるように
私が君を守ってみせよう

だから安心してお休み



―――――
過去拍手御礼文






●エドガー→セリス


剣を振り回す細腕、その太刀筋の美しさに目が離せなかった。
なるほど、これは勝利の女神のようだ。
常勝将軍の名をほしいままにしているのも頷ける。

あぁなのに、君は美しく眉をひそめるんだね。
その名を恥と思っているのだろうか。

どこをとっても気品に溢れているなんて。
どうして心を乱さないでいられよう。






●マッシュ×セリス


廊下の向こう側から大きな声がセリスを呼ぶ。
振り返るとマッシュが大きく手を振って近寄ってきていた。

「ほら、プレゼント」

優しく笑ってマッシュが差し出したのは、彼には似合わない可愛らしい箱。
中には綺麗なブレスレットが収まっていた。

「ティナ?リルム?それともエドガー?」
「……………兄貴。でも最終的に決めたのは俺だからな」

セリスが悪戯に笑って問うと、マッシュは困ったように笑った。

「ありがとう、一生懸命選んでくれて」

選ぶのに他の女の子を頼らないでくれたのが嬉しいわ。






●カイエン&セリス


「後ろを向いてくれぬか」

カイエンの言葉に素直に従う。
サラリと彼の手がセリスの髪を掬う。
慣れた手つきでまとめあげ、一本の簪でそれを留めた。

「これは?」
「ドマから持ってきた妻の形見の一つでござる。誕生日と聞いたのでな」
「そんな大切なもの、私なんかには勿体ないわ!」
「使わずにいる方が勿体ないでござるよ。お主に似合いそうなのを選んできたのだ。貰ってほしいでござる」
「カイエン……ありがとう」






●ガウ×セリス


「セリス、セリス!」
「あら、どうしたの」
「やる!」

満面に笑みを浮かべてガウはセリスに抱きついた。
やる、とは何を?
セリスは首を傾げながらもガウを抱き返す。

「ござる、言ってた!ガウの元気が一番のプレゼント!」

あぁそうか、やるとは“ガウ自身”のこと。

「嬉しいわ。ありがとう」

最高のプレゼントに、セリスは満面の笑みを返した。





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