●ロック→セリス
「痛っ!」
「どうした?」
思わず小さく声をあげると、セリスがこちらを振り向く。
なんでもない、と笑ってみせたが、彼女は俺の手をとった。
「怪我をしているな」
そう言った彼女は、僅かに血を滲ませている俺の人差し指を口に含んだ。
ざらっとした舌の感触に、俺は体を震わせる。
「せ、セリス!?」
「ケアルをかけるまでもないからな。こうしておけばすぐ治るだろう」
自分を女と思っていないのか、コイツは。
くそ、こんなことされると……
とてつもなく……
……………
●ロック×セリス
ルールだった。
彼女と関わっていくうえで、自分で決めていたルール。
必要以上に気持ちを育てない。
ま、そんなの無理だったわけだけど。
だって、気高くも儚い彼女を放っておけない。愛しくてしょうがない。
彼女には俺が必要なんだ。
●ロック×セリス
闇から逃れる方法なんてないの
だから私は死んだら地獄へ行くでしょう
でも努力することはできるだろう?
そしたら俺が一本の細い糸で盗み出してやるよ
―――――
イメージは『蜘蛛の糸』もしくは『糸の意図』
●ロック+セリス
「何馬鹿なことを言っている。私は帝国の将軍だった女だぞ?」
「もう裏切ったんだろ?問題ねぇじゃん」
「……変なやつだな」
だってしょうがないだろう?
放っとけないんだ。
君の眼差しは今絶望に満ちていて。
でも死ねば今までの罪から逃れられると安心していて。
それって“逃げ”だろう?
「俺たちと生きて、共に立ち向かってみないか?」
今はただその瞳に“希望”という光を差し込ませたい……
「……本当に変わった奴だ」
そう呆れた風に笑う君の瞳の変化に気づかないロック様じゃねぇぜ?
さぁ、共に戦おう……
―――――
過去拍手御礼文
●ロック×セリス
「もう我慢できないからな」
ロックは苦しそうに呟いて、セリスの首筋にくちづけた。
セリスは何も言わずにロックの手を取る。
不思議そうなロックに目もくれず、彼の掌に唇を寄せた。
掌の上なら懇願のキス
腕と首なら欲望のキス
―――――
過去拍手御礼文
グリルパルツァー『接吻』
●ロック×セリス
「おめでと」
面と向かって言うのはなんだか照れくさくて(ガキかよ俺)頭をガシガシとかきながら笑って祝う。
彼女はぽかんと俺を見た。
ん?なんでそんな反応なんだ?
「誕生日、だよな?」
「え、あ、うん。そうね」
途端に彼女は顔を真っ赤にし、ありがとうと綺麗に笑った。
●ロック×セリス
愛してる、だなんて言わないでよ
そんな嘘の言葉、悲しくなるだけ
私が可哀想だから付き合ってるだけなんでしょう?
ああ嘘ごめんなさい
本気じゃないの
ただ貴方に愛される自信がないだけなの
●(レオ←)セリス←ロック
「愛とか恋とか、正直よくわからないの」
「なら俺が教えてやるよ」
「でもそういうのに憧れがないわけじゃなくて」
「あれ、スルー?」
「将軍への想いが恋ならばいいのに、と思ったことは数知れないわ」
「……………」
そう思った時点で恋なんだ、なんて
絶対言ってやるもんか
●ロック+セリス
「お前はなかなかのギャンブラーだな」
「なんだよ、いきなり」
「帝国の将軍だった私に、マリアに似ているから舞台に立てと言う」
「成り行き上しょうがねえだろ」
「セッツァーはマリアにご執心なのだろう。騙されるとは思えない。かなりな賭けだぞ」
「男ってやつはけっこう簡単なんだぜ。セリスほど似ていて、舞台用の化粧だってするんだ。よほどじゃないかぎりバレねえよ」
「私がしくじったらどうするつもりだ」
「セリスなら大丈夫さ。俺はお前に賭けるぜ」
「……最善は尽くすが、もしものことを考えておきなさい。舞台に立つ以上、私は自由に立ち回れない」
「りょーかい」
●ロック→セリス←マッシュ
「俺は、セリスを守ってやりたいって思ってる」
頭を鈍器で殴られたような感覚。
再会した時から違和感はあった。
マッシュのセリスを見る目が優しく、情熱的で。
また、セリスも以前よりマッシュと共に行動することが増えていた。
俺が合流するまでに何があった?
一番に再会したのは二人だと聞いたが、やはりそれが大きかったのだろうか。
今さらどうにもできないそんなことを羨み、嫉妬に身を焦がす。
「セリスを守るのは、俺だ」
さぁ、これからどう仕掛けていこうか。