●イオス×ルウ


普段背伸びをして大人びた発言をしようとする彼女は、誰からみてもたぶんまだ可愛らしい少女。
発言のわりに可愛らしい声は、僕の心を癒してくれる。
こうして無邪気な寝顔をみているだけでも心が温かくなるから不思議だ。
僕だけの、大事な大事なお姫様。

フルッと彼女の目蓋が震える。
貴女が起きるまであと何秒?
その素敵な声でまず何と言ってくれますか?

「お目覚めですか、姫」






●イオス×ルウ


「大丈夫?」
「うん、平気」

彼女に心配かけたくなくて、無理にでも笑ってみせる。
目の前にはまだ大量のケーキ。
甘いものが苦手ではないが、それほど得意でもない。
二個が限界だった。

「ごめんね。付き合わせちゃって」
「いや、気にしないでくれ」

君の幸せそうな顔を見れるだけで、十分だから。






●イオス×ルウ


バレンタインだから、と言ってルウはイオスにチョコを手渡した。
まさか貰えるとは思っていなかったイオスは不意打ちをくらったように顔を真っ赤にする。

「あ、ありがとう。今食べてもいいか?」
「もちろん!」

包みを開けると五つのトリュフ。
そのうちの一つを口に含む。
とろっと溶けたそれは、口の中を甘ったるくしたが、決して嫌味ではなかった。

そして気づく。
ルウがただじっとこちらを見ている。

「……あげないよ」
「!べ、べつに食べたいなんて!」

真っ赤になってルウが反論する。
つい意地悪で言ってしまったが、反応が可愛かったのであげてもいいなと思った。

「……一口だけだぞ」
「え……」

そしてイオスはもう一つを口に含み、そのままルウの唇に寄せた。






●イオス×ルウ


なんだか慌てた
ぶつかった口とくち
にぶい痛みと
ひろがる鉄のあじ
ルウにとっては慣れないそれに
戦をしるきみはなれてるの?






●イオス→ルウ


君は知っているだろうか
僕が君を愛しているということを

いや知らないんだろうな
だって知っていたら僕の目の前で他の男にそんな優しい顔をするはずがない






●イオス×ルウ←マグナ


前から可愛らしくはあったけれど、急激に綺麗になったと思う。
それはきっとイオスのせいなんだろうな。
今のルウは前以上に魅力的で、俺も前よりもっと好きになってしまった。
でもこの想いが叶うことはないんだ。
イオスが仲間にさえならなければ、なんて。
そんなことを考えてしまう自分が嫌だ。
彼は今では戦力の要でもあるし、なによりルウの大切な人。
俺なんかの醜い嫉妬をぶつけていい相手ではない。
ルウの笑顔は彼といるときが一番輝いているじゃないか。
それでもルウへの想いが枯れることはなく、イオスを邪魔と思ってしまうなんて。
俺ってば、こんなに嫌な奴だったのか。






●イオス×ルウ


触れた手は案外柔らかくて驚いた
男の人の手は皆ごつごつと固いものだと思っていたから
それでもやっぱりルウのそれとは全然違って
槍を扱う彼の手はしっかりとしている
その手のぬくもりにルウは安心するの






●イオス×ルウ


閉じられた目蓋の奥に隠れた意思の強い瞳。
きっとルウなんかとは覚悟の大きさが全然違う。

気づいたらそこにキスを落としてた。


閉じられた目蓋の奥に隠れた視野の広い瞳。
きっと僕なんかとは違って、世界のすべてを湛えている。

気づいたらそこにキスを落としていた。



閉じた目の上なら憧憬のキス



―――――
過去拍手御礼文
グリルパルツァー『接吻』





●イオス×ルウ


引き寄せて、キスをした。
温かくて柔らかい感触。
唇を離すのが勿体なくて、深く深く味わう。
もっと触れていたいのに、その甘さに目眩を起こしそうで、必死に彼女にしがみついた。

「イオス!?だ、大丈夫?」

いきなりのキスに動揺してるはずなのに、僕の心配をするルウの言葉は、実に彼女らしい。
思わず笑みが零れて、そんな彼女を逃がしたくなくて、抱き締める腕に力を込めた。



離さない、逃がさない


―――――
過去拍手御礼文






●イオス×ルウ


意地っ張りで甘えたなルウはもうおしまい。

「なんで?僕はそんなところも好きなのに」

やっぱりおしまいにすることおしまい!





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