●ジューダス←ナナリー
「本当は、恐いんだ」
ナナリーは自分の体を抱き締めた。
止まらない震えを抑えるかのように。
「アンタにもう会えなくなるって考えたら、震えが止まんないんだよ……」
ねぇ、何か言って
あたしを安心させてくれよ
「だが、この世界を放っては置けないだろう?」
そうやってアンタはあたしを突き放すんだね
●ジューダス×ナナリー
見るな
なんでだい?
こんな汚い部分、お前に見られたくない
何を今さら
その汚い部分も含めてアンタなんだろう?
じゃああたしはその汚いアンタも好きなんだ
●ジューダス×ナナリー
「……寒い」
「そんな格好していたら当然だ」
まったく、とため息を吐き、ジューダスは自分のマントの中にナナリーを閉じ込めた。
ナナリーは待ってましたと言わんばかりに抱きつく。
「ふふ、あったかいね」
「まぁな」
●ジューダス→ナナリー
くだらない、と吐き捨てることは簡単だ。
以前の僕ならばそう言ってのけたに違いない。
だが今それができないのは、彼らから想いを学んだからというだけでなく、彼女を心底で想っているからなのだろう。
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