彼女の肩が震えているのに気づくと、いてもたってもいられなくなって、思わず自分の手をその華奢な肩に置いた。

「……ギンジは、優しいのですね」
「おいらにはこれくらいしかできないから……」

不謹慎にもドキドキしながらそう言うと、彼女はありがとうと痛々しい笑みを浮かべた。

「でも大丈夫ですわ。泣いてなどいられませんから」

うっすら涙を浮かべているくせに。
そう思ったが、彼女から拒絶されてることもわかっていたので、手をおろす。

世界を守るために消えてしまった赤毛の少年。
そして彼が愛したたった一人の少女。

彼女を悲しませてまで守る価値が、この世界にあったのだろうか。


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