「ハルヒ、ハルヒ!僕、自転車に乗りたいんだけど!」

朝一番に何を言いだすかと思えば。
また本か何かで変な知識でも蓄えてきたのだろうか。

「なに、どうしたの」
「庶民てさ、『二人乗り』ってのするんでしょー?僕もそれやってみたいなーって」
「ああ、なるほどね。でも馨、自転車乗れるの?」
「えー?乗ったことないけど」
「自分がこいだんじゃ多分こけるからね。馨が乗れないなら無理だよ」
「えー、乗りたいー!」

そりゃ自分だって、馨と二人乗りとか、してみたいけどさ。

「そうだ!じゃあさ、練習するから付き合ってよハルヒ!で、僕が乗れるようになったら二人乗りしよう!」

飽きっぽい馨がそんな気の長くなるようなことできるのだろうか。
疑いを捨てきることはできないけれど。
少しでも長く馨といられるのなら、悪くない。


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