自分にとって歩いて帰るのは当たり前のことだけど、隣を歩く彼はいつも車で帰っているわけで。
なぜ今日は自分と一緒に帰っているのか。
いつも一緒の片割れはいったいどうしたというのだろう。

「光さー……、なんか最近変なんだよね」
「変?」
「話し掛けてもうわの空だし、僕に気づいたと思ったら急に真っ赤になってさー。何か悩んでるのかな?」

確かに最近光の様子がおかしい。
しかし馨とは違って、自分は原因に薄々気づいている。
だてに毎日見ているわけではないのだ。
見ているだけで、何一つしないのだけれど。

「なにハルヒ。ため息なんかついちゃって」
「あ、いや、なんでもないよ」

ただ光も大変だな、と思っただけで。
普段聡い馨だけれど、自分に対する感情には鈍い。
光も自分も、まだまだ悩むことになりそうだ。



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