彼女を何かに例えるとしたらなんだろう?

恐竜の森で野宿することになり、息抜きにテントから離れ湖のほとりに腰を落ち着けていた俺は、穏やかに揺れる水面を眺めつつ、ふと思った。

彼女とは勿論セリスのこと。
まだ恋人とはいえないけれど、俺の好きな人。
とても綺麗で可愛い人。

ケフカを倒したら彼女に告げるつもりだ。

『一緒に行こう』と。

ゆらゆらと水が揺れる。
空を見上げると、闇夜にぽっかりと浮かぶ月。

セリスみたいだ。

そう思ったが、どこかしっくりこない。
首を傾げ、目線を下に戻す。
そしてピンときた。

彼女は水面に映る月に似てるんだ。

月のような静かな輝きを放ち、
水の揺れに身をゆだね、
不安定で放っておけない、
儚い存在。

だから守ってやりたい、一緒にいたい。


『一緒に行こう』

決戦を終えるまで待てるかな、俺。
今すぐにでも告げて、彼女を予約しておこうか。
なんて考えてしまう。

重症だな、こりゃ。


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