「また……負けた……」
バラバラに壊れたメリッサ17号を目の前に、アーシェラはガクンと膝をついた。
その資金はどこから調達しているのか、ジャックを相手に未だゴーレムの作製を続けているのだ。
「またタダ働きだし……」
ゴーレムとの戦いを終えたばかりのジャックが肩を落とす。
「いいじゃないですか。仲間に協力していると思えば」
落ち込むジャックにミランダは優しく声をかけた。
彼女の優しさに癒されていたジャックだったが、殺気を伴って近づいてくるアーシェラに気づき、次第に顔が硬直していく。
「ジャックさん!次は、次こそはメリッサ18号で、あなたをギッタギタのボッコボコにしてさしあげますからね!覚悟しておきなさい!」
そう叫んで、アーシェラは走り去った。
「……………ミランダ」
「……………はい」
「……………あれが仲間にむかって言うセリフだと思う?」
「……………」
残されたのは無残な姿となったゴーレムの亡骸と、呆然としたミランダ、そしてすでに諦めに入ったジャックのみだった。
2007/08/29
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