自分が強いだなんて思ったことはないけれど、私はこんなに弱かったでしょうか。



「ス、スカーレル!」
「あらセンセ。どしたの?」

いつものように甲板に出てぼんやりしていたスカーレルは、最近妙に緊張している様子のアティに声をかけられ振り返る。

「あ、あの、その、私、ス、スカーレル……」
「ちょっとセンセったら、落ち着きなさいな。何言ってるのかさっぱりよ」
「あ、あうぅ……」

かなり混乱しているアティを落ち着かせ、そして続きを促す。

「で、どうしたの?」
「……………!」

するとアティは顔を真っ赤にさせ、「やっぱいいです!」と言って走り去ってしまった。
残ったのは去る彼女の後ろ姿を呆然と見るスカーレルのみ。





「先生……これで何回目だっけ?」
「うぅ……23回目です、ソノラ」
「……いいかげん『好き』って言いなさいよねー!この、弱虫!」
「あうぅ……」







2007/08/11
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