「あ、ねぇねぇ。そこの若人たち〜」

聞き覚えのありすぎる声がした。
今日こそは絡まれずに、隣の彼女とゆっくり過ごしたい。
聞こえないフリをして去るのもありか、と思っていると、

「あ、メイメイさん!」

彼女――ルウは俺の考えを知ってか知らずか、声に反応を返してしまった。
さようなら、平穏にすぎるはずだった今日という日……

「ちょっとお願い事があるんだけどぉ、聞いてくれる?」

嫌だ、と言ってやりたいが、そういうわけもいかない。
何より彼女が黙っていない。

「うん、いいよ。何?」

ほらね……。
メイメイさんからの頼みごとは本当にすぐ済むようなことで、「それならルウ一人でぱぱっと行ってくるから、マグナはここで待っててよ」と言ってルウは行ってしまった。
一緒に行けばいいのに……という俺の心に、もちろん彼女は気づかない。

「ありゃ。ねぇマグナ。もしかして邪魔しちゃった?」

肩を落とした俺に、今更な声をかけるメイメイさんにじとっとした恨めしそうな目で返す。

「……にゃは、にゃははは☆」

笑ってごまかすメイメイさん。

「ま、まぁ特別に二人の相性でもタダで占ったげるから☆ほら、元気だす!」

誰のせいで……と思ったが、今更しょうがない。
とにかくルウが帰ってくるのをひたすら待つことにした。







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このお題を見た瞬間、メイメイさんの「ねぇねぇ、そこの若人〜」ってセリフしか思いつきませんでした。

2007/06/27
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