「超能力ってあると思う?」

下校中の勇人の口から出たのはそんな言葉だった。
何をいきなり、昨日そんな番組でもあったかしら、と綾は思いながら首を捻った。

「超能力、ですか?そうですねぇ……」

綾の頭に浮かんでくる超能力のイメージは、物を曲げたり浮かしたり、ハンドパワー的なものばかり。
想像しても今イチ、ピンと来ない。

「……なんか、あるとは思えないですね」

自分のイメージが飛躍している気がして、と綾は付け加えた。
勇人は「それもそうか」と笑った。

「俺はね、あると思うんだ」

自分が使った、あの特別な力。
あれだって自分からしたら超能力の一種だと考える。
召喚術。
今この世界では使うことはできないけれど、もし、もしも再びあの世界へ行くことができたなら。
今度は隣を歩く彼女も連れて、自分の超能力を見せてあげようと勇人は思うのだった。







2007/06/13
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