今日は皆でおそろいコスチュームにしよう!と言いだしたのは誰だったか。
どうせアニスあたりだろ、とルークは息を吐いた。
「せっかくですから、私ドレスを着たいですわ。最近久しいですし」
「ではフォーマルなカンジですかね」
ナタリアが言って、ジェイドが付け加える。
「だったらルークは子爵だな」
ガイが当然のように言った。
「では私はこのままで」
軍服を着たジェイドが、これが私の制服なのでと言った。
「そんなのダメですよ〜、大佐!それじゃ、私やティアだってこのままじゃないですか〜」
せっかく皆でおそろいにしようって言ってるんだから、和を乱さないでください!
「おやおや、叱られてしまいました」
アニスには適いませんねぇ。
ジェイドの言葉にアニスはにっこりと笑った。
「じゃあ大佐はドクトルマンボにしよう!子爵や姫の主治医みたいな!」
「それ、いいですわね」
「で〜、アニスちゃんは……」
「ねこねここねこでいいんじゃね?ペットってことで」
アニスの言葉を遮ってルークが言う。
アニスは怒り、しかしティアは「可愛いかも……」と頬を染めていた。
「……じゃあ次はガイとティアね」
「やはりガイはスマートスタイルがよいのでは?騎士というカンジがしますし」
「じゃあティアは女性響士か?」
ナタリアとルークがそれぞれ言う。
しかしアニスは甘いな〜と笑う。
「ガイは憩いの配膳者に決まってんじゃん!ね〜、大佐☆」
「えぇ。なんていったって使用人ですからね」
悪かったな、使用人らしい貴族で、とガイは複雑そうな顔をした。
「そんで〜、ティアはおすましメイド!使用人が一人じゃ大変だろうしねー」
なんてったってこの二人の使用人するわけだし。
「まぁそれ以上に、ティアはガイとおそろいがいいでしょうからね」
ジェイドが意地悪な笑みをティアに向けた。
ティアはボッと顔を赤くし、何を言ってるんですか!と慌てて言った。
その慌てぶりがおもしろいのか、周囲はなおもはやしたて、ガイは軽く照れたように苦笑していた。
そして、おそろいコスチュームを身につけたガイとティアが、一日中からかわれたのは言うまでもない。
2007/06/22