「ティトレイさん、腕看せてください」
「おう」
戦闘が終わってすぐに、アニーが俺のもとへ小走りでやってくる。
先程負った怪我の治療をしてくれるのだろう。
いつもそうだ。
俺が怪我すると絶対に彼女は気がついてくれるのだ。
「はい、これで大丈夫です」
「サンキュー」
治療道具を片付けだしたアニーに、俺はずっと気になっていたことを聞いてみることにした。
「なぁ、何でアニーは俺が怪我したってすぐ気付くんだ?」
突然の問いに驚いたのか、彼女はきょとんとしている。
「そりゃ、私は卵ですけど医者ですし、ティトレイさんていつも前に飛び出しちゃいますし、それに……」
「それに?」
言葉が止まったので先を促す。
すると彼女は俺をまっすぐ見つめ、そしてにっこり微笑んだ。
「愛しちゃってますから」
2007/04/21
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