「マグナぁ!」
「うわぁっ!」

木の上でのんびり昼寝、なんて考えてたのに、彼女の出現により遮られた。
しかし不快じゃない。会いたくてたまらなかった。

「久しぶりだな、ルウ」
「聞いてよマグナ!もう一年になっちゃう!」
「な、なにが?」
「イオスと一年も会ってないの!」

ああ、やっぱりイオスのことなのか。
せっかく君に会えたのに、なんで他の男の話を聞かなくちゃいけないんだろう。
まぁ、二人はつきあってるんだから仕方ないんだけど。

「今回はしばらく帰れないとは言ってたけど、やっぱりルウもついていけばよかった!寂しいわ……」
「……それはルウが、イオスの邪魔になりたくないって言ったんだろ」
「そうだけど……。ルウも自由騎士団に入ればよかったかなぁ」
「それはダメだってイオスに止められたんじゃなかった?」
「うう……」

そんなに寂しい思いをしてばかりなら、さっさと忘れて俺に乗り換えればいいのに。なんて。

「……………でもね」

あ、始まった。

「手紙はくれるんだ。どこにいるかとかは書かれてないことが多いけど、ルウのこといつも気にかけてくれてるわ」
「……ふぅん」
「それに、人々のために戦うイオスが、一番好きだもの」

はいはい、ごちそうさま!







2012/4/18
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