「どうしよう、私おかしいのかも」
アニーが深刻そうに頭を抱える。
物事を必要以上重く受け止めてしまう節のある彼女だから、今回もそんな気にするほどのことじゃないんじゃないかと思ってたんだけど。
「最近、ドキドキしてばっかりで……なんでなんでしょう?」
ドキリとする。
その瞳は恋をしていた。
恋愛とかに敏感な方ではないけど、アニーのことなら別だ。
相手は、誰なんだ。
「ティトレイさんといると、おかしくなりそうです」
ドキドキドキ。
それは、俺に恋してるってことでいいのか?
「俺も。アニーといると、ドキドキ止まんねぇで、おかしくなりそうだ」
証拠に、と抱き締めた。
慣れない行為に余計心臓が鳴る。
それはアニーも同じみたいで、彼女の鼓動が伝わってくる。
ドキドキドキドキドキドキ。
「……おそろい、ですね」
嬉しそうに笑った顔に、また高鳴った。
2012/4/21
×