シルターン自治区からの帰り。
なんだかミントねーちゃんの元気がないような気がして。
「どうしたんだよ」
「……やっぱグラッドさんも一緒ならよかったなって。今さらだし仕方がないことなんだけどね」
トレイユに来てからずっと近くにいた存在。
離れてみて、こんなに落ち着かないものだとは思わなかった。
「情けないこと言っちゃったね」
そうねーちゃんは苦笑したけど、そんだけ兄貴のこと想ってくれてるんだってわかって、オレは嬉しくなった。
「帰ったら、悔しがるほどいっぱい土産話してやろうな!次は絶対休暇取るんだって気にさせるくらい!」
そうしたら今度は、皆でどこかへ行こう。
本当は二人きりにさせてやりたいけど、それじゃあ兄貴が緊張で倒れちまいそうだから、言わない。
「そうだね。グラッドさんと、ライくんたちと、皆で旅行しようね」
その日が来るのが楽しみで、早く兄貴に話してやりたくて、帰る足が軽くなった。
2012/4/4
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