「もし俺が、レイアが欲しいっつったら、おたく、どうする?」

軽い暇潰しのつもりで、ジュードに声をかけた。
てっきり慌てるなりなんなりすると思ったのに。

「あげないよ」

冷静に言い切った。
その目には明らかに敵意が含まれている。

「本当の気持ちを冗談にして、気づかないふりをするような男に、レイアはあげない」
「……は?」
「自分が本気って気づいてないの?」
「いやいや、ないだろ」
「それならそれでいいよ。一生自覚しないで」

僕とレイアの邪魔をしないで。
ジュードの敵意は鎮まらない。

「それとも、退屈しのぎに僕と勝負してみる?」

でもレイアは自分を選んでくれる、という自信にムカッときて。

「上等だ。レイアを落としてみせるぜ」

本当は、誰かに彼女を想うことを認めてほしかった。
退屈しのぎなんてとんでもない。
全力で潰すぜ、ジュード君。







2012/2/16
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